建築用語『アース』を解説

建築用語『アース』を解説

『アース』とは何か

『アース』とは、地中深くに埋めた銅板などと電気器具の基準電位配線などを銅線でつなぐこと、あるいは、その基準電位点そのもののことです。日本語では「接地」と呼び、もし漏電を起こしてしまった場合でも、漏電した電気は「アース」を通じて大地へと流れるため、事故を未然に防ぐ役割を持ちます。本来は基準として大地を使用するためこういった名称になっていますが、基準として大地を使用しない場合にも拡張して使用されます。なお、一般家庭で使用されている主に水回りの電気機器には人がよく接触するため、漏電などによる感電防止のために人体保護用の設置電線が取り付けられていることが大半です。一般的な電気工事での「アース」の施工方法は、その施工箇所の土質により得られる接地抵抗が異なるため、銅板を地中に埋めてアース線を接続する方法が一般的です。

『アース』の目的

「アース」の目的は、主に-漏電事故の防止-です。漏電とは、電気の流れる道が本来とは異なる部分に生じて、電気が漏れてしまう現象のことです。漏電が発生すると、感電や火災の原因となる可能性があります。-アース線は、漏電した場合に、電気を大地に逃がすことで、感電や火災を防ぐ役割を果たします。-

アースは、電化製品の金属製筐体と大地を電気的に接続することで、電化製品に流れる電気を大地に逃がすようにします。これにより、電化製品の筐体に電気が帯電するのを防ぎ、感電事故を防ぐことができます。また、アースは電化製品の雷サージを大地に逃がす役割も果たします。雷サージとは、雷が落ちたときに発生する瞬間的な高電圧のことです。雷サージが電化製品に流れ込むと、電化製品が損傷する可能性があります。アースは、雷サージを大地に逃がすことで、電化製品の損傷を防ぐことができます。

『アース』の施工方法

接地とは、電気機器を大地と電気的に接続することで、漏電が発生した場合に感電事故を防ぐために行われるものです。接地には主に2つの方法があります。1つは、銅板を地中に埋設してアース線を接続する方法です。この方法は、接地抵抗が低く、安定した接地が得られるため、一般的に多く採用されています。もう1つは、水道管や鉄筋コンクリートの柱などに接続する方法です。この方法は、銅板を埋設する必要がないため、施工が容易ですが、接地抵抗が高くなる傾向があります。

アースの施工方法は、使用される導体や接地方法によって異なります。一般的に使用される導体は銅線ですが、アルミニウム線を使用することもあります。接地方法としては、地中埋設、基礎接地、水道管接地などがあります。

地中埋設は、銅板や接地棒を地中に埋設して接地する方法です。この方法は、接地抵抗が低く、安定した接地が得られるため、一般的に多く採用されています。基礎接地は、基礎コンクリートに接地棒を埋め込んで接地する方法です。この方法は、地中埋設に比べて施工が容易ですが、接地抵抗が高くなる傾向があります。水道管接地は、水道管に接地線を接続して接地する方法です。この方法は、施工が容易ですが、水道管の腐食や漏水による接地不良が発生する可能性があります。

『アース』と接地

接地とは、電気設備の金属部分を大地と直接または間接的に電気的に接続することをいいます。接地は、漏電による感電や落雷による建物や設備の損傷を防ぐために重要な役割を果たしています。 接地には、直接接地と間接接地という2種類があります。直接接地とは、電気設備の金属部分を大地に直接接続する方法で、間接接地とは、電気設備の金属部分を大地に埋められた金属板や金属棒に接続する方法です。

『アース』の重要性

アースとは、漏電によって発生した電気を大地へと逃がすことで感電事故を防ぐための電気設備のことです。感電事故は、漏電によって電気機器の金属部分に触れることで人体に電気が流れ、電気ショックや火傷などの被害が発生するものです。アースは、漏電した電気の流れを大地へと導くことで、感電事故を未然に防ぐ重要な役割を果たしています。

アースは、電気工事において欠かせない基本的な電気設備であり、漏電による感電事故を防ぐために重要な役割を果たしています。電気工事を依頼する際には、アース工事が正しく行われていることを確認することが大切です。