ビシャン叩き仕上げとは？特徴と歴史を解説

ビシャン叩き仕上げとは？特徴と歴史を解説

ビシャン叩き仕上げの特徴と歴史

ビシャン叩き仕上げの特徴と歴史

ビシャン叩き仕上げは、石工事用の金槌であるビシャンを使って、石の表面を平滑に仕上げる加工方法です。特殊硬質合金を使用しているため、石を叩いてつぶすように仕上げることができ、滑らかな表面を得ることができます。この仕上げ方は、和の風情を感じさせる魅力的な仕上がりとなりますが、手作業でしか行えないため、職人の技術と手間が必要になり、単価が割高になる傾向にあります。また、ビシャン叩き仕上げを行うには、石材の強度が小松石以上であることが条件であり、柔らかい石材では加工できません。

ビシャン叩き仕上げの歴史は古く、平安時代から行われていたとされています。当初は、仏像の台座や石塔などに使われていましたが、次第に住宅や城郭にも用いられるようになりました。江戸時代には、ビシャン叩き仕上げが盛んに行われ、多くの優れた作品が作られました。現代でも、ビシャン叩き仕上げは神社仏閣や公共施設、邸宅などで使用されており、その伝統的な技法は脈々と受け継がれています。

ビシャン叩き仕上げの施工手順

ビシャン叩き仕上げの施工手順

ビシャン叩き仕上げは、特殊硬質合金製の金槌であるビシャンを使って石材の表面を叩き、平滑に仕上げる加工方法です。以下の手順で行われます。

１．石材の表面を整える

まずは、石材の表面に凸凹や汚れがないかを確認し、必要な場合はサンダーなどで整えます。

２．石材に水をかけ、ビシャンを当てる

石材に水をかけ、ビシャンを当てます。このとき、ビシャンのハンマーヘッドを石材の表面に垂直に当て、叩きます。

３．石材の表面を叩いて平らにする

ビシャンのハンマーヘッドで石材の表面を叩き、平らにしていきます。このとき、ハンマーヘッドの重さを利用して、石材の表面を均一に叩きます。

４．仕上げ

石材の表面が平らになったら、仕上げとしてサンドペーパーなどで表面を磨きます。こうすることで、石材の表面にツヤが出て、美しい仕上がりになります。

ビシャン叩き仕上げは、熟練した職人による手作りであるため、高価な工法ですが、石材本来の美しさを引き出すことができる魅力的な仕上げ方法です。

ビシャン叩き仕上げのメリットとデメリット

ビシャン叩き仕上げとは、ビシャンと呼ばれる石工事用の金槌を使って仕上げる加工方法のことであり、独特の風合いを持つ表面仕上げです。ビシャンで叩くことができるだけの強度が必要であり、小松石以上の強度が基本となっているため、やわらかな大谷石では加工できません。メリットとしては、平滑に仕上げることができるため滑りにくく、汚れが付きにくいという特徴があります。また、和を感じさせる仕上げ方であり、魅力あふれる出来栄えになります。デメリットとしては、本来は手作業であり、職人の力によるところが大きい。手間も大きくかかるようになるため、単価自体は大きく上がってしまうという点があります。

ビシャン叩き仕上げに向いている石材

ビシャン叩き仕上げに向いている石材は、ビシャンと呼ばれる石工事用の金槌で叩くことができるだけの強度があることです。ビシャン叩き仕上げは、石の表面を平滑に仕上げる加工方法ですが、石の強度が弱い場合、ビシャンで叩くと割れてしまうことがあります。そのため、ビシャン叩き仕上げに向いている石材は、小松石以上の強度を持つ石材です。小松石は、日本の石材の中でも硬度が高く、ビシャン叩き仕上げに適しています。また、安山岩や御影石などもビシャン叩き仕上げに向いています。

ビシャン叩き仕上げの施工例

ビシャン叩き仕上げの施工例

ビシャン叩き仕上げの施工例は、寺院の石碑や石灯籠、石橋、石垣など、さまざまな場所で見ることができます。また、最近では、一般の住宅のエクステリアにも取り入れられることが増えてきています。ビシャン叩き仕上げは、石材の表面を叩くことで、表面を平滑に仕上げる加工方法です。石材の表面が平滑になることで、汚れが付きにくくなり、メンテナンスが容易になります。また、ビシャン叩き仕上げは、石材の表面に独特の風合いを出すことができます。ビシャン叩き仕上げは、手作業で行われることが多く、職人の技術によって仕上がりが左右されます。そのため、ビシャン叩き仕上げを依頼する際には、信頼できる職人を選ぶことが大切です。