書院造りとは?その歴史と特徴を徹底解説
建築物研究家
「書院造り」とはどんな住宅様式のことですか?
建築を知りたい
書斎である書院を建物の中心としている住宅様式のことです。
建築物研究家
書院造りの特徴は何ですか?
建築を知りたい
襖や障子などの間仕切りが発達していて、畳を敷き詰めた座敷と、出窓形式の付書院、あるいは出っ張りのない平書院が特徴です。
書院造りとは。
書院造りとは、書斎の書院を中心に建てられた住宅様式です。古代の寝殿造りを基盤とし、鎌倉、室町、桃山時代にかけて完成しました。寝殿造りは部屋同士が開放的でしたが、書院造りでは襖や障子といった間仕切りが発展しました。畳の敷かれた床の間のある座敷と、出窓形式の付書院、あるいは出っ張りがない平書院が特徴です。当初は書斎としての機能を持っていましたが、次第に権力の象徴となり、武家屋敷では公的空間として使用できる華やかな造りとなりました。現代の書院造りは、派手さを避け、厳粛でありながらもシンプルで調和のとれた美しさを大切にした造りとなっています。
書院造りの起源と歴史
書院造りの起源は、平安時代の貴族の住居である寝殿造りにあります。寝殿造りは、建物の中央に寝殿があり、その周りに渡り廊下や対屋が配置された開放的なつくりでした。書院造りは、寝殿造りの基本的な構造を踏襲しながら、襖、障子などの間仕切りを発達させ、個々の部屋を独立させることで、よりプライベートな空間を実現しました。
書院造りの歴史は、鎌倉、室町の武家時代にさかのぼります。武家たちは、寝殿造りの開放的なつくりを好まず、よりプライベートで防備のしやすい書院造りを好みました。書院造りは、室町時代中期に完成し、桃山時代には、華麗な装飾が施された書院造りが流行しました。江戸時代になると、書院造りは、武家屋敷や寺院、茶室などで用いられるようになりました。現代では、書院造りは、伝統的な日本建築の代表的な様式として、住宅や公共施設などに用いられています。
書院造りの特徴
書院造りは、書斎である書院を建物の中心としている住宅様式である。書院造りの特徴は、襖、障子などの間仕切りが発達し、畳を敷き詰め床の間のある座敷と、出窓形式の付書院、あるいは出っ張りのない平書院が特徴である。書院は、初期の頃こそ書斎的な機能を持っていたが、だんだんと権力を目に見える形で表現した物となり、さらに武家屋敷で公的空間としても使えるような華麗な造りとなっていった。しかし現代の書院造りは、派手さを避け、厳粛でありながらシンプル、そして調和の美を大切にした造りとなっている。
書院造りの代表的な建築物
書院造りの代表的な建築物としては、京都の金閣寺や銀閣寺、桂離宮などが挙げられます。いずれも桃山時代に建てられた名刹で、書院造りの特徴がよく表れています。金閣寺は、足利義満が山荘として建てたもので、金箔で覆われた舎利殿が有名です。銀閣寺は、足利義政が山荘として建てたもので、銀箔で覆われた観音堂が有名です。桂離宮は、八条宮智仁親王の山荘として建てられたもので、池泉回遊式の庭園が美しいことで知られています。
書院造りの現代における活用
書院造りの現代における活用
現代において、書院造りは住宅様式として取り入れられることは少なくなりましたが、その意匠やデザインは、旅館や料亭、寺院などの伝統的な建築物に受け継がれています。また、茶室や書斎などの空間を演出する際にも、書院造りの要素を取り入れることで、落ち着いた雰囲気を醸し出すことができます。さらに、書院造りは日本の伝統的な美学を表現した建築様式として、多くの建築家やデザイナーから注目されており、現代建築のデザインにも影響を与えています。
書院造りの魅力
書院造りの魅力は、何といってもそのシンプルさと調和の美にある。派手さを避け、厳粛でありながら、落ち着いた雰囲気を醸し出している。書院造りの部屋は、畳を敷き詰め、床の間があり、出窓形式の付書院、あるいは出っ張りのない平書院が特徴的である。
書院は、初期の頃こそ書斎的な機能を持っていたが、だんだんと権力を目に見える形で表現した物となり、さらに武家屋敷で公的空間としても使えるような華麗な造りとなっていった。しかし、現代の書院造りは、派手さを避け、厳粛でありながらシンプル、そして調和の美を大切にした造りとなっている。
書院造りの魅力は、そのシンプルさと調和の美だけでなく、使い勝手の良さにもある。書院は、書斎や客間としてだけでなく、寝室や居間としても使うことができる。また、畳を敷き詰めているので、床に座ったり、寝転んだりしても快適である。
書院造りは、日本の伝統的な建築様式であり、その魅力は今もなお多くの人々に愛されている。