建築用語『セメント』徹底解説

建築用語『セメント』徹底解説

セメントとは？

セメントとは、石灰石、粘土、珪石、酸化鉄、石膏を混ぜて作った、コンクリートを作るための材料のひとつです。 最近ではほとんどのセメントがコンクリートとして使われていますが、大きく分けると「ポルトランドセメント」「混合セメント」「特殊セメント」に分類され、多く使われているのがポルトランドセメントです。ポルトランドセメントは、クリンカという石灰石と粘土を混ぜ合わせて焼いた物と、石膏でできており、クリンカと石膏を半々に混ぜてさらに混合材料を加えたセメントは、混合セメントと言い、コンクリートを作る際、セメントだけで作ってしまうと強度が低いため、セメントの他に砂や砂利などの骨材を混ぜ合わせて作られています。

セメントの種類

セメントの種類

セメントは、用途や性質によっていくつかの種類に分類されます。最も多く使用されているのは、ポルトランドセメントです。ポルトランドセメントは、クリンカー（石灰石と粘土を焼いたもの）と石膏を混合して作られます。ポルトランドセメントは、強度が高く、耐久性に優れているのが特徴です。

混合セメントは、ポルトランドセメントに他のセメントや添加物を混合して作られます。混合セメントは、ポルトランドセメントよりも強度が低くなりますが、作業性や経済性に優れているのが特徴です。

特殊セメントは、耐火性や耐酸性などの特殊な性能を有するセメントです。特殊セメントは、工場や発電所などの特殊な用途で使用されます。

ポルトランドセメント

ポルトランドセメントは、ヨーロッパのポートランド島から切り出される石灰岩に似た色をしていることからこう名付けられました。ポルトランドセメントは、石灰岩と粘土を1450度に焼成して作られたクリンカと石膏を半々に混ぜて作られます。骨材に混和されたポルトランドセメントは、水と反応して水和物になり、コンクリートの強度や耐久性を高めます。コンクリートは、建築構造物には欠かせない材料であり、ポルトランドセメントは、コンクリートの強度や耐久性を高めるために重要な役割を果たしています。

混合セメント

混合セメントとは、ポルトランドセメントに他の成分を混ぜ合わせたセメントのことです。混合セメントは、ポルトランドセメントよりも安価で、強度を高めたり、ひび割れを防いだりする効果があります。混合セメントには、高炉セメント、フライアッシュセメント、シラスセメント、鉱さいセメントなどがあります。

高炉セメントは、鉄鋼業界から排出される高炉スラグを原料として作られています。高炉セメントは、ポルトランドセメントよりも安価で、強度を高めたり、ひび割れを防いだりする効果があります。フライアッシュセメントは、火力発電所から排出されるフライアッシュを原料として作られています。フライアッシュセメントは、ポルトランドセメントよりも安価で、強度を高めたり、ひび割れを防いだりする効果があります。シラスセメントは、鹿児島県や宮崎県に分布するシラスを原料として作られています。シラスセメントは、軽量で、断熱性に優れています。鉱さいセメントは、セメント工場や石灰工場から排出される鉱さいを原料として作られています。鉱さいセメントは、ポルトランドセメントよりも安価で、強度を高めたり、ひび割れを防いだりする効果があります。

特殊セメント

特殊セメントは、ポルトランドセメントに特殊な成分を加えて作られたセメントです。特殊セメントには、耐熱セメント、耐酸セメント、防水セメント、速乾セメントなどがあります。耐熱セメントは、耐火性に優れており、煙突や耐火壁に使用されます。耐酸セメントは、酸に強いセメントで、下水処理場や化学工場に使用されます。防水セメントは、水を弾く性があり、地下室やプールに使用されます。速乾セメントは、乾燥が早いため、急いで工事をしたい場合に使用されます。