雲竜紙とは何か

雲竜紙とは何か

建築物研究家

『雲竜紙』について知っていることを教えて下さい。

建築を知りたい

『雲竜紙』は、福井県越前市で生産されている和紙の一種です。大正時代から生産されていて、独特の質感を持っています。

建築物研究家

『雲竜紙』の特徴を教えて下さい。

建築を知りたい

『雲竜紙』の特徴は、細長い繊維を梳きこんでいて、雲のような模様ができることです。また、『雲竜紙』はなめらかな模様ができあがり、独特な風合いがあります。

雲竜紙とは。

雲竜紙とは、福井県越前市で生産されている越前和紙の一種です。大正時代から生産されており、細長い繊維を梳きこんでいるのが特徴で、雲のような模様ができます。なめらかな模様ができあがり、独特な風合いを持つのが特徴です。

繊維は手でちぎったコウゾであり、雲のように散らせることで模様が生まれてきます。筋いり紙と呼ばれることもあり、着色したコウゾを使った物を色雲竜紙と呼びます。数種類の着色したコウゾを入れた物は、別に多色雲竜紙と呼ばれます。

コウゾよりも短い繊維を持つミツマタを使った場合には、雲肌紙(くもはだがみ)と呼び区別します。

雲竜紙の歴史

雲竜紙の歴史

雲竜紙の歴史

雲竜紙の歴史は古く、1920年代の大正時代に福井県越前市で生産が始まったとされています。雲竜紙が生まれたきっかけは、和紙の生産量を向上させるため、地元の製紙職人が、コウゾ繊維を細かく梳きこんでより強い和紙を作ろうとしたことでした。この結果、雲のような模様が浮かび上がる独特の紙が生まれ、後に「雲竜紙」と名付けられました。雲竜紙は、ランプシェードや工芸品の材料として人気を博し、生産量は順調に伸びていきました。しかし、第二次世界大戦中は、紙の生産が統制されたため、雲竜紙の生産も縮小を余儀なくされました。戦後、雲竜紙の生産は再開されましたが、生産量は戦前に比べて減少しました。その後、1980年代以降、和紙が見直されるようになり、雲竜紙も再び注目されるようになりました。現在では、雲竜紙は、伝統工芸品として、また、現代的なデザインのインテリアとしても広く使用されています。

雲竜紙の製法

雲竜紙の製法

雲竜紙の製法は手作業が中心で、和紙作りの技が随所に活かされている。まず、コウゾの皮を煮て柔らかくする。その皮を細かく裁断し、水にさらして灰汁抜きを行う。その後、水に浸してさらし、粘りけを取り除く。こうすることで、コウゾの繊維が柔らかくなり、加工しやすくなる。この繊維に水を加えて撹拌し、パルプ状にする。このパルプを簾ですくい上げ、水切りを行う。その後、天日干しにして乾かす。乾いた和紙に雲のような模様をつけるために、コウゾの繊維を手でちぎり、紙の表面に散らす。こうすることで、雲のような模様ができる。最後に、着色する場合は、顔料を水に溶かして紙に塗布する。こうして、雲竜紙が完成する。

雲竜紙の種類

雲竜紙の種類

雲竜紙の種類

雲竜紙には、さまざまな種類があります。コウゾを使った白雲竜紙、着色したコウゾを使った色雲竜紙、数種類の着色したコウゾを入れた多色雲竜紙などがあります。また、コウゾよりも短い繊維を持つミツマタを使った雲肌紙なども雲竜紙の一種として知られています。それぞれの雲竜紙には、独特の風合いがあり、ランプシェードや障子、壁紙などさまざまな用途に使用されています。

雲竜紙の用途

雲竜紙の用途

雲竜紙は、ランプシェードや衝立、襖などのインテリア用品や、和装小物、書道用紙など、さまざまな用途に使用されています。 雲竜紙の独特の風合いは、和の雰囲気や、自然の風合いを表現したい場合に適しています。ランプシェードや衝立などに加工して使用すると、柔らかな光を放ったり、空間を仕切ったりして、落ち着いた雰囲気を演出することができます。襖や和装小物に使用すると、和のテイストを表現したり、伝統的な雰囲気を演出することができます。書道用紙に使用すると、雲竜紙の風合いが文字の表情を引き立て、書道をより一層楽しむことができます。