デザイン・ビルドと伝統的な生産方式の違い

デザイン・ビルドと伝統的な生産方式の違い

建築物研究家

デザイン・ビルドとは、ひとつの会社が、設計と施工の両方の業務を行なう生産方式のことです。

建築を知りたい

つまり、発注者はひとつの契約で全体をカバーすることができるということですね。

建築物研究家

はい、そうです。また、問題が起こっても責任の所在を明らかにできるというメリットもあります。

建築を知りたい

なるほど、デザイン・ビルドを採用することで、コスト縮減や工期短縮が図れることもあるんですね。

デザイン・ビルドとは。

デザイン・ビルドとは、設計と施工を同じ企業が担当する生産方式のことです。

従来の公共工事では、発注者が建設コンサルタントに委託して詳細設計を作成し、価格競争入札を行い、最低価格の建設業者によって施工されるのが一般的でした。

デザイン・ビルド方式では、発注者はひとつの契約で全体をカバーすることができ、問題が発生しても責任の所在を明らかにすることができます。

設計が自社内にある場合の他、欧米では外部の設計会社と契約して総合工事業者が発注者との間でひとつのデザインビルドの契約を行なうことが多く見られます。

デザイン・ビルド方式を採用した場合、受注者が有する新技術などの活用により、コスト削減や工期短縮が図れることも近年、注目されている理由のひとつです。

デザイン・ビルドの特徴

デザイン・ビルドの特徴

デザイン・ビルドとは、ひとつの会社が、設計と施工の両方の業務を行なう生産方式のこと。これまで、公共工事は発注者が建設コンサルタントに委託して、作成された詳細設計に基づき、価格競争入札を行ない、最低価格の建設業者によって施工されるのが原則だった。

デザイン・ビルドは発注者はひとつの契約で全体をカバーすることができる上、問題が起こっても責任の所在を明らかにできる。設計が自社内にある場合の他、欧米では外部の設計会社と契約して総合工事業者が発注者との間でひとつのデザインビルドの契約を行なうことが多い。デザイン・ビルドを採用した場合、受注者が有する新技術などの活用により、コスト縮減や工期短縮が図れることも近年、注目されている理由のひとつである。

デザイン・ビルドのメリット

デザイン・ビルドのメリット

デザイン・ビルドのメリットは、以下の通りである。

* 発注者にとってのメリット

発注者は、ひとつの契約で全体をカバーすることができるため、発注者の負担が軽減され、全体的なコストダウンにもつながる。また、問題が起こった場合、責任の所在を明確にすることができる。

* 受注者にとってのメリット

受注者は、設計と施工の両方を一貫して行うことができるため、工期を短縮したり、コストを削減したりすることができる。また、新技術などの活用により、新たな付加価値を生み出すことも可能である。

* 社会全体にとってのメリット

デザイン・ビルド方式を採用することで、公共施設の建設が円滑に進み、社会全体の発展にもつながる。

デザイン・ビルドのデメリット

デザイン・ビルドのデメリット

デザイン・ビルドのデメリットとして挙げられるのは、発注者による設計変更が困難である点です。デザイン・ビルドでは、設計と施工が一体化しているため、発注者が設計変更を行おうとすると、施工者に変更に伴う追加費用を請求されることになります。また、発注者が設計に変更を加えるためには、施工者の同意を得る必要があります。そのため、発注者が設計変更を行いやすい従来の方式と比較すると、柔軟性に欠けるといえます。さらに、設計と施工が一体化しているため、発注者が設計と施工の責任を明確に分けることが困難です。発注者と施工者の間でトラブルが発生した場合、責任の所在が不明確になる可能性があります。

デザイン・ビルドが適しているプロジェクト

デザイン・ビルドが適しているプロジェクト

デザイン・ビルドが適しているプロジェクトは、公共工事や、大規模な民間プロジェクトなど、工期が短く、コストを抑える必要があるものです。また、新技術や、新しい工法を取り入れたいプロジェクトにも適しています。

デザイン・ビルドを採用することで、受注者が有する新技術などの活用により、コスト縮減や工期短縮が図れることもあります。また、発注者と受注者の間で、責任の所在が明確になるため、トラブルが発生した場合の対応もスムーズになります。

デザイン・ビルドの成功事例

デザイン・ビルドの成功事例

建築用語における「デザイン・ビルド」とは、ひとつの会社が、設計と施工の両方の業務を行なう生産方式のことである。従来の公共工事では、発注者は建設コンサルタントに委託して、作成された詳細設計に基づき、価格競争入札を行ない、最低価格の建設業者によって施工されるのが原則であった。これに対し、デザイン・ビルドは発注者がひとつの契約で全体をカバーすることができるため、問題が起こっても責任の所在を明らかにすることができ、施工と設計を一体的に行うことによって、コスト縮減や工期短縮を実現できるという利点がある。

デザイン・ビルドを採用した成功事例として、愛知県芸術劇場大ホールの建設プロジェクトがある。このプロジェクトでは、総合建設業者の清水建設が、設計と施工の両方を担当した。清水建設は、愛知県芸術劇場大ホールの建設にあたり、最新の建築技術と工法を採用し、コスト削減と工期短縮を実現した。また、愛知県芸術劇場大ホールは、2005年にグッドデザイン賞を受賞するなど、デザイン面でも高く評価されている。