アトリウムの基礎知識

アトリウムの基礎知識

建築物研究家

アトリウムとは、どんなもののことか知っていますか?

建築を知りたい

ガラスやアクリル板などの明かりを通す素材で屋根を覆った大規模空間のことです。光は通すものの外部とは遮断されており、主にホテルのエントランスなど大規模商業施設で使われることが多いです。

建築物研究家

アトリウムは、元々は古代ローマ時代の住宅建築方法のひとつで、建物の玄関奥に位置していたことを知っていますか?

建築を知りたい

知りませんでした。アトリウムは、古代ローマ時代から存在していたのですね。

アトリウムとは。

アトリウムとは、ガラスやアクリル板などの光を通す素材で覆われた屋根を持つ大規模な空間のことです。内部は公開されていますが、外部とは遮断されており、主にホテルのエントランスなど大規模商業施設に設置されることが多いです。光井のような狭い空間ではなく、広場のように広々とした空間を指します。

アトリウムの歴史は古く、古代ローマ時代には住宅建築の一種として存在していました。建物の玄関奥に位置し、周囲を居室で囲った、天窓のある石畳の空間がアトリウムと呼ばれていました。

初期キリスト教では、4世紀から7世紀にかけて大聖堂の入り口前にアトリウムと呼ばれる構造体が設けられ、ローマやドイツの特定の教会や大聖堂には現在でも同様の構造体が残っています。

アトリウムとは

アトリウムとは

アトリウムとは、ガラスやアクリル板などの明かりを通す素材で屋根を覆った大規模空間のことである。光は通すものの外部とは遮断されており、主にホテルのエントランスなど大規模商業施設に使われることが多い。光井のような狭い空間は含まず、あくまでも広場的な広がりを持つものだけを指す。もともとは古代ローマ時代の住宅建築方法のひとつで、建物の玄関奥に位置していた。周囲を居室で囲い、天窓のある石畳の空間のことを指している。

アトリウムの歴史

アトリウムの歴史

古代ローマ時代、アトリウムは建物の玄関奥に位置し、周囲を居室で囲まれた、天窓のある石畳の空間でした。その目的は、採光と換気でした。初期キリスト教の建築にもアトリウムが見られ、4世紀から7世紀にかけては、ヨーロッパの多くの教会や大聖堂にアトリウムが建てられました。こうしたアトリウムは、教会の入口前に位置し、洗礼式や集会などの儀式に使用されました。

中世以降、アトリウムは次第に姿を消し、採光と換気は窓やアーケードによって行われるようになりました。しかし、19世紀後半から20世紀初頭にかけて、アトリウムは再び注目されるようになりました。そのきっかけとなったのは、クリスタルパレスの建設です。クリスタルパレスは、1851年にロンドンで開催された万国博覧会のために建てられたガラス張りの巨大な建物です。クリスタルパレスのアトリウムは、鉄とガラスで構成された、光に満ちた空間でした。このアトリウムは、多くの人々に衝撃を与え、アトリウムの復活を促しました。

アトリウムが使われる場所

アトリウムが使われる場所

アトリウムは、主にホテルのエントランスなど大規模商業施設で使われることが多いです。これは、アトリウムが光をたくさん取り込むことができ、開放感があり、人々が集まりやすい空間を作るのに適しているためです。また、アトリウムは、建物の中に自然光を取り入れることができるため、省エネにもつながります。

アトリウムは、ホテルや商業施設以外にも、オフィスビルや公共施設などにも使われています。オフィスビルでは、アトリウムが従業員同士のコミュニケーションを促進したり、仕事のストレスを軽減したりする効果があるとされています。公共施設では、アトリウムが市民の憩いの場として利用されたり、イベントや展示会などが開催されたりしています。

アトリウムのメリット・デメリット

アトリウムのメリット・デメリット

アトリウムは、大規模商業施設のエントランスやホテルなど、開放的な空間が必要な場所に適した建築様式です。採光がよく、広々とした空間を作ることができます。そのメリットは、自然光を採り入れて明るい空間を作ることができること、解放感があり開放的な空間を作ることができること、建築的にも見栄えが良いことなどがあげられます。

しかし、デメリットとしては、建築コストが高いこと、空調が効きにくいこと、プライバシーが確保しにくいことなどがあげられます。

アトリウムは、メリットとデメリットを考慮して設置する必要があります

アトリウムの設計・施工

アトリウムの設計・施工

アトリウムの設計・施工は、その特性を生かした設計と施工が求められます。自然光を最大限に取り込むためには、ガラスやアクリル板などの明かりを通す素材を屋根に使用し、天井高を高く設ける必要があります。また、外部との遮断性を確保するために、開口部を適切に配置する必要があります。施工においては、ガラスやアクリル板を安全に施工することが重要であり、防水性や断熱性にも配慮する必要があります。