仮締めとは?建築業界のプロが分かりやすく解説
建築を知りたい
仮締めとは何ですか?
建築物研究家
仮締めとは、ボルトやナット類の締め付け作業の際に、あらかじめ軽く締めておくことです。
建築を知りたい
仮締めは、どのような場合に行うのですか?
建築物研究家
仮締めは、鉄骨のボルト接合の場合や、溶接接合のエレクションピースの場合などに行われます。
仮締めとは。
仮締めとは、ボルトやナットを本締めする前に、軽く締めておくことです。鉄骨のボルト接合の場合、プレート同士の摩擦で一体化するため、仮締めボルトによって摩擦面を密着させます。仮締めボルトは、1ヵ所において1/3程度で2本以上をバランスよく配置することが必要です。
溶接接合のエレクションピースは、仮止めボルトが全数必要です。配合継手、併用継手の場合、仮締めボルトは1/2程度で2本以上必要です。高力ボルトの場合、本締め用の高力ボルトを仮ボルトと兼用すると、本締めまでの間にねじ山やナット潤滑処理面が、湿気などで変質する危険があるため、建てる当日に本締め作業が終了できる場合などの特別な場合以外は、兼用してはなりません。
仮締めの方法
仮締めの方法
仮締めの方法は、接合する部材の種類や形状によって異なります。鉄骨のボルト接合の場合、プレート同士の摩擦で一体化するため、仮締めボルトによって摩擦面を密着させる必要があります。1ヵ所において1/3程度で2本以上をバランスよく配置することが必要です。溶接接合のエレクションピースは、仮止めボルトが全数となります。配合継手、併用継手の場合、1/2程度で2本以上となります。高力ボルトの場合は、本締め用の高力ボルトを借りボルトと兼用すると、本締めまでの間にねじ山やナット潤滑処理面が、湿気などで変質する危険があるため、建てる当日に本締め作業が終了できる場合などの特別な場合以外は、兼用してはなりません。
仮締めボルトの種類
仮締めボルトの種類
仮締めボルトには、主に2種類あります。1つ目は、「摩擦係数付き仮締めボルト」です。これは、ボルトの表面に摩擦係数を高める加工が施されており、ボルトが緩みづらくなっています。2つ目は、「摩擦係数無加工仮締めボルト」です。これは、ボルトの表面に摩擦係数を高める加工が施されていないため、ボルトが緩みやすいという特徴があります。
一般的に、摩擦係数付き仮締めボルトは、摩擦係数無加工仮締めボルトよりも高価です。しかし、ボルトが緩みづらいため、施工の手間やコストを削減することができます。一方、摩擦係数無加工仮締めボルトは、摩擦係数付き仮締めボルトよりも安価ですが、ボルトが緩みやすいため、施工の手間やコストが増加する可能性があります。
仮締め時の注意点
仮締め時の注意点
仮締めを行う際には、いくつかの注意点があります。まず、仮締めボルトは本締めボルトとは異なるボルトを使用することです。本締めボルトは、仮締めボルトよりも強度が強く、締結力が大きいため、仮締めボルトを本締めボルトとして使用すると、ボルトが破損する可能性があります。次に、仮締めボルトは均等に締め付けることです。仮締めボルトを均等に締め付けないと、ボルトの締め付け力が不均一になり、接合部に歪みが生じる可能性があります。最後に、仮締めボルトは錆びないように保護することです。仮締めボルトは、屋外で使用されることが多いため、錆びやすい性質があります。仮締めボルトを錆びないように保護しないと、ボルトが破損し、接合部が分離する可能性があります。
仮締め後に行うこと
仮締め後に行うこと
仮締めが完了したら、本締めを行います。
本締めは、ボルトやナットを完全に締め付け、鉄骨やエレクションピースを固定する作業です。
本締めには、トルクレンチやインパクトレンチなどの工具を使用します。
ボルトやナットを締める際には、均等に力を加えて締めることが大切です。
1ヵ所だけ強く締めすぎると、ボルトやナットが破損する恐れがあります。
本締めが完了したら、ボルトやナットの締め付け具合を点検します。
締め付けが不足していると、鉄骨やエレクションピースが緩んでしまう恐れがあります。