建築用語『むくり』の奥深さ
建築物研究家
「むくり」とは、どういう意味でしょうか?
建築を知りたい
「むくり」とは、上に向かって反っていることだと思います。
建築物研究家
その通りです。具体的には、長尺の梁材のような物がたわむことを想定しておき、上向きになるように取り付けることを「むくり」と言います。荷重ということを考えても有効となってくるのですが、実際に水平にしてしまうと目の錯覚によって中心部が下がって見えるため、むくりにしておくことによって、水平に見せることができます。
建築を知りたい
なるほど、むくりにすることで、圧迫感を与えないという効果があるのですね。鉄骨ではむくりを付けることが難しいため、行なわれないことも多くなってきたということですが、鴨居でも行なわれることがあるのですね。
むくりとは。
むくりとは、物が上に向かって反っている状態のことです。長尺の梁材のような物がたわむことを想定して、上向きになるように取り付けることです。荷重を考えても有効ですが、水平にすると目の錯覚によって中心部が下がって見えてしまいます。梁の中心などには電灯設備などが取り付けられるためです。そこで、むくりにすることによって、水平に見せることができます。これには、圧迫感を与えない効果があります。鉄骨ではむくりを付けることが難しく、行なわれないことも多くなりました。鴨居でも行われることがあります。
むくりの意味と定義
「むくり」とは、上に向かって反っていること。凸型に膨らむように沿っている状態を指す。 長尺の梁材のような物がたわむことを想定しておき、上向きになるように取り付けること。荷重ということを考えても有効となってくるが、実際に水平にしてしまうと目の錯覚によって中心部が下がって見える。これは、梁の中心などには電灯設備などが取り付けられるためであり、どうしても目が下に向いているように見えてしまう。そこで、むくりにしておくことによって、水平に見せることができる。これには、圧迫感を与えないという効果がある。鉄骨ではむくりを付けることが難しく、行なわれないことも多くなってきた。鴨居でも行なわれることがある。
むくりの目的と効果
むくりの目的は、水平に見せることです。長尺の梁材のような物がたわむことを想定しておき、上向きになるように取り付けることで、荷重がかかっても有効になります。実際に水平にしてしまうと、目の錯覚によって中心部が下がって見えるからです。これは、梁の中心などには電灯設備などが取り付けられるためであり、どうしても目が下に向いているように見えてしまいます。そこで、むくりにしておくことによって、水平に見せることができるのです。
むくりの効果は、圧迫感を与えないことです。水平に見せることで、天井が低く感じられず、開放感のある空間になります。また、梁材のたわみを防ぐことで、建物の強度を維持する効果もあります。
むくりの歴史と起源
むくりの歴史と起源
むくりは、古くから日本建築に取り入れられてきた伝統的な技法です。その起源は、平安時代までさかのぼると言われています。平安時代には、貴族や武士の邸宅など、大きな建物が数多く建設されました。これらの建物では、長い梁材を使用することが多く、その梁材がたわんでしまうことを防ぐために、むくりが施されました。
むくりは、梁材の両端を持ち上げて、中央部を下げることで実現されます。このことにより、梁材に荷重がかかったときに、梁材のたわみを防ぐことができます。また、むくりを施すことで、梁材が水平に見え、圧迫感を与えないという効果もあります。
むくりは、日本の伝統的な建築様式である、木造軸組工法に多く見られます。木造軸組工法とは、柱と梁を組み合わせて骨組みを作り、その骨組みに壁や屋根を取り付ける工法のことです。木造軸組工法では、梁材が長くなることが多く、その梁材がたわんでしまうことを防ぐために、むくりが施されます。
現代でも、むくりは日本の建築に取り入れられています。特に、神社や仏閣などの伝統的な建築物では、むくりが施されていることが多く見られます。また、最近では、住宅やオフィスビルなど、現代的な建築物でもむくりが施されることが増えてきています。
むくりが使用される場所
むくりとは、建築用語で、上に向かって反っている状態を指します。 梁材のような曲がらないようにするために、初めから上向きにしておいて、重さがかかってしなった時に水平になるように取り付けます。
これによって荷重がかかった際にも有効ですが、水平に取り付けてしまうと、目の錯覚で梁の中心部が下がって見えてしまいます。
梁の中心には電灯などの設備を取り付けることが多いので、どうしても目が下に向いてしまうのです。
そこで、むくりにしておくことで、水平に見せることができるのです。
この効果は、圧迫感を与えないというメリットがあります。鉄骨ではむくりを付けることが難しく、行なわれないことも多くなってきました。
むくりの施工方法
むくりの施工方法
むくりを施工する方法は、大きく分けて2つあります。
1つは、梁材をあらかじめ反らせておく方法です。これは、梁材を加工する際に、一定の曲がりを持たせることで実現します。
もう1つは、梁材を水平に取り付けた後、梁材の中央部分に重りを吊るす方法です。こうすることで、梁材がたわみ、むくりが生まれます。
どちらの方法を採用するかは、梁材の材質や形状、設置する場所などの条件によって異なります。
鉄骨梁の場合は、梁材をあらかじめ反らせておく方法が一般的です。これは、鉄骨梁は曲げに弱いため、水平に取り付けて重りを吊るす方法だと、梁材がたわみすぎてしまう可能性があるためです。
木梁の場合は、梁材を水平に取り付けた後、梁材の中央部分に重りを吊るす方法が一般的です。これは、木梁は曲げに強いいため、重りを吊るしても梁材がたわみすぎる心配が少ないからです。