権現造りとは?その歴史と特徴
建築物研究家
権現造りとは、平安時代に始まり江戸時代に流行した、本殿と拝殿を「石の間」もしくは「相の間」と呼ばれる幣殿で繋ぐ建築様式のことだよ。
建築を知りたい
本殿と拝殿を繋ぐ部分のことを「石の間」もしくは「相の間」と呼ぶんですね。
建築物研究家
その通り。相の間の床が、拝殿と本殿よりも低く石敷きになった物を石の間と呼ぶよ。普通、相の間は拝殿と同じ高さの板敷きとなっており、幣殿として使われる。
建築を知りたい
権現造りの特徴は、本殿が流造りと入母屋造りの2種類で、豪華な造りとなっていることと、拝殿には正面屋根に千鳥破風が飾られていることですね。
権現造りとは。
権現造りとは、平安時代に始まり江戸時代に流行した建築様式のことです。本殿と拝殿を「石の間」または「相の間」と呼ばれる幣殿で繋ぐのが特徴で、「石の間造り」や「八棟造り」とも呼ばれます。上から見ると、本殿、相の間、拝殿の配置により屋根が「エ」の字の形になっています。相の間の床が、拝殿と本殿よりも低く石敷きになっているものを石の間と呼びます。通常、相の間は拝殿と同じ高さの板敷きになっており、幣殿として使われます。権現造りの場合、社殿は本殿が流造りと入母屋造りの2種類で、豪華な造りとなっており、拝殿には正面屋根に千鳥破風が飾られています。平安時代の北の天満宮が起源とされ、栃木県の日光東照宮が有名です。日光東照宮の東照大権現(徳川家康)にちなんで名付けられました。
権現造りの歴史
権現造りの歴史は平安時代に遡ります。平安時代の北の天満宮がこの建築様式の始まりと言われています。権現造りが流行したのは江戸時代で、全国各地に数多くの権現造りの社殿が建てられました。その中でも、栃木県の日光東照宮は権現造りの代表作として知られています。日光東照宮は、徳川家康を祀る神社であり、その豪華な造りは多くの人々を魅了しています。日光東照宮の東照大権現(徳川家康)にちなんで、権現造りという名前が付けられました。
権現造りの代表的な建築物
権現造りの代表的な建築物は、栃木県の日光東照宮です。日光東照宮は、1617年に徳川家康が亡くなってから2年後に、息子の徳川秀忠によって建立されました。日光東照宮は、権現造りの典型的な建築物で、本殿、相の間、拝殿が「エ」の字の形に配置されています。本殿は流造りで、拝殿は入母屋造りです。拝殿の正面屋根には、千鳥破風が飾られています。その他、京都府の北野天満宮、東京都の靖国神社、静岡県の三嶋大社、大阪府の住吉大社も権現造りの建築物として有名です。
権現造りの現在と未来
権現造りは、現在でも神社建築の伝統的な様式として受け継がれ、各地に多くの権現造りの神社が残っています。特に有名で美しい権現造りの神社としては、京都府の貴船神社、奈良県の春日大社、岩手県の毛越寺などが挙げられます。また、近年では、伝統的な権現造りを復興させる取り組みも行われており、新たな権現造りの神社が建立されることもあります。権現造りを受け継いでいくためには、伝統的な工法や技術を継承するとともに、現代のニーズに合わせた新しいデザインや機能を取り入れていくことが大切でしょう。権現造りは、日本の神社建築の代表的な様式のひとつとして、これからも末永く愛され続けることでしょう。