目板張りの基礎知識

目板張りの基礎知識

建築物研究家

「目板張り」について説明してください。

建築を知りたい

目板張りとは、天井や壁板の張り合わせ工法の一種ですね。

建築物研究家

その通りです。そして、目板とは板と板の継ぎ目をふさぐ幅の狭い板のことですよね。

建築を知りたい

はい、目板を表面に取り付ける目板打ち羽目板張りや、裏に取り付ける敷目板張りなどがありますね。

目板張りとは。

目板張りとは、天井や壁板を張る工法の一種です。目板とは、板と板の継ぎ目を隠すために使う、幅の狭い板のことです。目板を表面に取り付ける目板打ち羽目板張りや、目板を裏面に取り付ける敷目板張りがあります。目板打ち羽目板張りは、板を張る方向によって横羽目と竪羽目に分けられます。横羽目は雨仕舞のために、建物内部の仕上げによく使われます。日本建築では横羽目が古くから伝わってきた工法でしたが、鎌倉時代に伝来した禅宗様で竪羽目を使うようになってから、竪羽目も広く使われるようになりました。また、板を張る位置によって、腰羽目と高羽目に分けられます。敷目板張りは敷目天井とも呼ばれ、敷目板を継ぎ目に用いて板を張る工法です。主に天井の仕上げに使われます。

目板張りの種類

目板張りの種類

目板張りの種類は、目板の取り付け方や張る位置によって分類される。「目板打ち羽目板張り」は、目板を表側に取り付ける工法で、横羽目と竪羽目に分けられる。横羽目は、板を横に張る工法で、雨仕舞のために建物内部の仕上げに使われることが多い。竪羽目は、板を縦に張る工法で、鎌倉時代に伝来した禅宗様で取り入れられて以来、広く使われるようになった。「敷目板張り」は、目板を裏側に取り付ける工法で、敷目天井とも呼ばれ、主に天井の仕上げに使われている。また、目板張りは腰羽目、高羽目に分類される。腰羽目は、腰壁に張る目板張りで、高羽目は腰よりも上の壁に張る目板張りである。

目板張りの施工方法と注意点

目板張りの施工方法と注意点

目板張りの施工方法と注意点

目板張りの施工は、まず下地となる野地板や根太を組み、その上に目板を張っていきます。目板は、釘やビスで下地に固定しますが、釘やビスを打つ位置は目板の継ぎ目に沿って打つようにします。また、目板を張る際には、目板と目板の間に隙間ができないように注意することが大切です。隙間ができると、そこから雨水や湿気が浸入して、建物の耐久性を低下させてしまうおそれがあります。目板張りは、比較的簡単に行うことができる工法ですが、以上の点に注意して施工することが大切です。

目板張りのメリット・デメリット

目板張りのメリット・デメリット

目板張りのメリット・デメリット

目板張りは、板と板の継ぎ目を目板でふさぐ工法で、美しい見た目を得ることができるのが特徴です。また、板と板の間に隙間がないので、断熱効果を高めることができます。デメリットとしては、施工が難しく、板の反りや割れが生じやすいことが挙げられます。また、目板打ち羽目板張りは、横羽目は内部の仕上げに使われることが多いですが、竪羽目は雨仕舞に弱いので、外部の仕上げには向いていません。

目板張りの事例

目板張りの事例

目板張りの事例として、奈良の法隆寺の五重塔の軒裏や、京都の金閣寺の舎利殿の壁面などが挙げられる。また、近代建築では、ル・コルビュジエの「サヴォア邸」のファサードにも目板張りが用いられている。

法隆寺の五重塔の軒裏の目板張りは、横羽目の工法で施工されている。横羽目は、板を横に張っていく工法で、雨仕舞に優れているため、建物内部の仕上げによく用いられる。金閣寺の舎利殿の壁面の目板張りは、竪羽目の工法で施工されている。竪羽目は、板を縦に張っていく工法で、すっきりとした印象を与えるため、外観の仕上げによく用いられる。

ル・コルビュジエの「サヴォア邸」のファサードの目板張りは、敷目板張りの工法で施工されている。敷目板張りは、板を目板で継ぎながら張っていく工法で、天井の仕上げによく用いられる。しかし、「サヴォア邸」では、ファサードに敷目板張りが用いられており、斬新なデザインとなっている。

目板張りの歴史と変遷

目板張りの歴史と変遷

目板張りの歴史と変遷

目板張りは、古くから日本の建築物に使用されてきた工法です。その起源は平安時代まで遡るとされており、当初は横羽目と呼ばれる工法が主流でした。横羽目は、板を横に張り合わせていく工法で、雨仕舞に優れていることから、主に建物の内部の仕上げに使用されてきました。鎌倉時代になると、中国から禅宗様建築が伝来し、竪羽目と呼ばれる工法が日本に導入されました。竪羽目は、板を縦に張り合わせていく工法で、横羽目に比べて意匠性に優れていることから、次第に広く用いられるようになりました。

江戸時代になると、目板張りの工法はさらに発展し、腰羽目や高羽目など、さまざまなバリエーションが登場しました。腰羽目は、腰の高さまで板を張り合わせる工法で、高羽目は、腰よりも上の位置まで板を張り合わせる工法です。これらの工法は、意匠性や機能性に優れていることから、住宅や店舗、公共施設など、さまざまな建築物に使用されてきました。

明治時代以降、目板張りの工法は近代的な建築様式にも取り入れられるようになりました。特に、洋風建築においては、目板張りの外壁が人気となり、多くの建物に使用されました。また、大正時代になると、アールデコ調の建築様式が流行し、目板張りの外壁に曲線や幾何学模様を施した建物が多く建てられました。