建築用語『オープンシステム』とは？

建築用語『オープンシステム』とは？

オープンシステムとは？

オープンシステムとは、建築構造・工法などのシステムを、工務店や大工をはじめ誰でも建築できるように、一般公開されている仕組みのことをいいます。 「分離発注方式」とも呼ばれるこの方式は、依頼主が設計を依頼した建築家のサポートを受けつつ、専門業者に直接工事を依頼し、個別に契約する方法です。

この方式のメリットとして、建築家や設計事務所に工事全般の監理業務を委託できる点が挙げられます。建築家は依頼主のパートナーとして依頼主のために行動してくれるため、意向が直接現場に届くため、希望に近い建築が可能になります。 また、直接発注のため、経費や管理費が上乗せされないので、コスト削減にも役立ちます。

欧米でよく見られる方式で、透明性の高い新しい建築の方式と言えます。

オープンシステムのデメリット

オープンシステムのデメリットは、依頼主に建築の専門知識や経験がない場合、建築家や専門業者とのコミュニケーションがうまくいかず、希望通りの建物が完成しない可能性があることです。また、建築家や専門業者を個別に発注するため、工期が長引いたり、コストがかかったりする可能性もあります。さらに、建築家や専門業者との契約内容によっては、トラブルが発生した場合に責任の所在が不明確になることもあります。

オープンシステムの事例

オープンシステムの事例として、一般社団法人・オープンシステム推進機構（OSPI）が実施している「オープンシステム パビリオン」設計提案コンペティションがあります。これは、オープンシステムを採用したパビリオンの設計提案を広く募り、優秀な提案を表彰するものです。コンペティションには、国内外の建築家や設計事務所が参加し、さまざまなアイディアのパビリオンが提案されています。優秀な提案は、実際に建設され、展示会やイベントなどで使用されます。

また、オープンシステムは、公共施設の建設にも活用されています。例えば、東京都港区の「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」は、オープンシステムを採用して建設されたオフィスビルです。竹芝オフィスタワーは、200mを超える高層ビルであり、オープンシステムを採用することで、コストを抑えながら短期間で建設することができました。竹芝オフィスタワーは、その先進的なデザインと環境にも配慮した設計で、高い評価を得ています。

オープンシステムの将来性

オープンシステムは、建築構造・工法などのシステムを、工務店や大工をはじめ誰でも建築できるように、一般公開されている仕組みのことです。分離発注方式とも呼ばれ、依頼主が設計を依頼した建築家のサポートを受けつつ、専門業者に直接工事を依頼し、個別に契約する方法です。

オープンシステムの将来性は、透明性の高い新しい建築の方式として期待されています。欧米では、すでに広く普及しており、日本でも近年注目を集めつつあります。オープンシステムのメリットは、コスト削減と建築の自由度の向上です。

コスト削減の面では、中間マージンや管理費がかからないため、従来の工法よりも安く建築することができます。建築の自由度の向上という面では、建築家は依頼主のパートナーとして行動するため、依頼主の意向が直接現場に届き、希望に近い建築が可能になります。

また、オープンシステムは、新しい工法や素材の開発を促進することも期待されています。オープンシステムでは、工務店や大工が自由に工法や素材を選択できるため、新しい工法や素材が開発されやすくなります。これにより、建築の技術革新が進み、より高品質で安全な建築物が建設されることが期待されています。