タペストリーとは?つづれ織り技法で仕立てられた壁掛け装飾
建築物研究家
建築用語『タペストリー』とは、つづれ織りで絵を描いた一枚布の壁掛けのことです。
建築を知りたい
『タペストリー』は、絵を描いた布なんですね。
建築物研究家
はい、そうです。古代エジプトの王の墓から出土した『タペストリー』は、紀元前の物で、当時から高価な装飾物として扱われていたようです。
建築を知りたい
古代エジプトからあったとは知りませんでした。勉強になりました。
タペストリーとは。
タペストリーとは、織り込まれた1枚の布で絵を描くテキスタイルアートのこと。タペストリーに使われる織り方は「つづれ織り」で、縦糸と横糸を1本ずつ交差させ、太い横糸で縦糸を隠すのが特徴。タペストリーは、紀元前のエジプト王の墓から出土しており、古くから高価な装飾品であった。その後、中世ヨーロッパで盛んに作られるようになり、主な断熱効果をかねて、城の壁などにかけられた。つづれ織りの物以外にも、薄手の一枚布やパッチワーク製の物、プリント生地など、壁掛けを一般的に「タペストリー」と呼ぶことが多い。
タペストリーの起源と歴史
タペストリーの起源は古く、紀元前にまで遡る事ができる。 最古の「タペストリー」は、紀元前のエジプト王の墓から出土しており、古くから高価な装飾物として重宝されていた。その後、中世ヨーロッパで盛んに作られるようになり、主に断熱効果をかねて、城の壁などにかけられた。 タペストリーは、王侯貴族の権威と富の象徴とされ、教会や宮殿の装飾にも使用された。タペストリーの主題は、聖書物語や神話、歴史上の出来事など、多岐にわたる。また、タペストリーは、戦勝記念や結婚記念など、特別な出来事を記念して作られることもあった。
タペストリーの多彩な種類
タペストリーは、その種類や素材も様々です。最も伝統的なタペストリーは、縦糸と横糸を交差させて織られたつづれ織りのものです。この織り方は、紀元前エジプト時代から行われており、その起源は非常に古いです。
また、薄手の一枚布やパッチワーク製のタペストリーもあります。薄手の一枚布のタペストリーは、軽くて扱いやすく、壁に掛けたり、ソファにかけたりすることができます。パッチワーク製のタペストリーは、様々な色の布を組み合わせて作られるため、カラフルで華やかな印象です。
近年では、プリント生地のタペストリーも人気が高まっています。プリント生地のタペストリーは、写真やイラストを生地にプリントしたものなので、様々なデザインを楽しむことができます。また、お手入れが簡単で、汚れても洗濯機で洗うことができます。
タペストリーの製造工程の難しさ
タペストリーの製造工程は、非常に複雑で、熟練の職人による手作業で行われることが多く、長期間を要する細かな作業が特徴です。
タペストリーの製造工程の難しさは、まず、縦糸を隠すように折り込んでいく必要がある点にあります。これは、大変手間のかかる作業であり、手作業では年単位で時間がかかるものも珍しくありません。また、タペストリーは、横糸のみで絵を表現するため、縦糸が見えないように織らなければなりません。そのため、タペストリーの織り手は、縦糸を均等に張って、横糸を正確に交差させる必要があります。これは、熟練の技を要する作業です。
さらに、タペストリーは、高価な装飾物であるため、材料にもこだわりが必要です。タペストリーの材料には、シルクやウール、綿などが使用されますが、最高級のタペストリーには、シルク糸が使用されます。シルク糸は、光沢があり、色鮮やかで、耐久性に優れています。しかし、シルク糸は、高価であり、また、織りにくいという特徴もあります。そのため、シルク糸を使用したタペストリーは、非常に貴重なものです。
タペストリーの鑑賞ポイント
タペストリーの鑑賞ポイント
タペストリーを鑑賞する際には、その繊細な織りに注目してみましょう。タペストリーは、縦糸と横糸を1本ずつ交差させて織られており、その織り目は非常に細かく、美しい模様を表現しています。また、タペストリーは、手作業で織られることが多く、その職人の技も見どころの一つです。さらに、タペストリーは、様々な素材で作られています。シルク、ウール、綿、麻など、その素材によって、タペストリーの風合いは大きく異なります。また、タペストリーは、様々なデザインで作られています。花柄、動物柄、風景画など、そのデザインは無限大です。様々な素材やデザインのタペストリーを比較しながら鑑賞することで、タペストリーの奥深さを知ることができます。
タペストリーの活用法と注意点
タペストリーは、壁に掛けて楽しむことができる装飾品です。部屋の雰囲気を変えたり、季節感を出したりするのにぴったりです。タペストリーには、さまざまな素材やデザインのものがあるので、自分の好みに合ったものを選ぶことができます。
タペストリーを活用する際の注意点として、適切な場所に掛けることが挙げられます。タペストリーを掛ける場所は、直射日光が当たらない場所がおすすめです。直射日光が当たると、タペストリーが色褪せてしまうことがあります。また、タペストリーを掛ける際は、壁に釘を打ったり、画鋲を刺したりしないように注意が必要です。タペストリーを掛けるための専用のフックや、タペストリーを挟むことができるクリップなどを使用するとよいでしょう。
タペストリーは、定期的に掃除をすることが大切です。タペストリーにホコリがたまると、見た目が悪くなるだけでなく、ダニやカビが発生する原因にもなります。タペストリーを掃除する際は、柔らかいブラシやハンディクリーナーを使用するとよいでしょう。タペストリーを洗濯する場合は、手洗いするか、洗濯機のデリケートな洗いモードで洗うようにしてください。