戸境壁の基本的な知識と役割を理解する
建築物研究家
戸境壁とは、マンション・アパート等の集合住宅で、隣の住戸との境を仕切る壁のことです。コンクリート壁に直でクロスを貼るクロス直貼りと、コンクリート壁にボードを貼りその上にクロスを貼る二重壁の2種類があります。
建築を知りたい
戸境壁は、防火の観点から耐火構造、準耐火構造、防火構造のいずれかにしなくてはならないこと、また壁が天井裏まで達していなければならないことが、建築基準法上で規定されています。
建築物研究家
戸境壁は、防音上でも非常に重要です。法の規定はないが、隣家との生活音を遮断する上で少なくともコンクリートの厚さが15cm以上必要と言われています。
建築を知りたい
戸境壁を二重壁にすることで、コンクリートを平らにならす手間とコストを抑えることができます。しかし、コンクリートとボードの空間で音が増幅し、防音性能が低くなることが分かり、吸音材を入れるなど工夫されるようになりました。
戸境壁とは。
戸境壁とは、マンションやアパートなどの集合住宅で、隣りの住戸との間を仕切る壁のことです。戸境壁は、火災が発生した際に火災の延焼を防ぐために、耐火構造、準耐火構造、防火構造のいずれかにしなくてはならないこと、また、壁が天井裏まで達していなければならないことが、建築基準法上で定められています。
戸境壁は、防音の面でも重要な役割を果たしています。法律上の規定はありませんが、隣戸の生活音を遮断するためには、少なくともコンクリートの厚さが15cm以上必要であると言われています。
戸境壁には、大きく分けて2つの工法があります。1つ目は、コンクリート壁に直接クロスを貼る「クロス直貼り」です。2つ目は、コンクリート壁にボードを貼り、その上にクロスを貼る「二重壁」です。二重壁は、コンクリートを平らにならす手間とコストが抑えられるため、かつては多く使われていました。しかし、コンクリートとボードの空間で音が反響してしまい、防音性能が低くなることが判明し、吸音材を入れるなどの工夫がされるようになりました。
戸境壁とは何か?
マンション・アパート等の集合住宅で、隣の住戸との境を仕切る壁のことを「戸境壁」と呼びます。戸境壁の主な役割は、防火と防音です。
建築基準法上、戸境壁は、耐火構造、準耐火構造、防火構造のいずれかにしなくてはなりません。また、壁が天井裏まで達していなければならないことも規定されています。
戸境壁の防音性能は、コンクリートの厚さや、壁の構造によって異なります。法の規定はありませんが、隣家との生活音を遮断する上で、少なくともコンクリートの厚さが15cm以上必要と言われています。
戸境壁には、大きく分けて、コンクリート壁に直でクロスを貼るクロス直貼りと、コンクリート壁にボードを貼りその上にクロスを貼る二重壁があります。二重壁は、コンクリートを平らにならす手間とコストが抑えられるため、一時期多く使われた工法です。しかし、コンクリートとボードの空間で音が増幅し、防音性能が低くなることが分かり、吸音材を入れるなど工夫されるようになりました。
戸境壁の役割と重要性
戸境壁の役割は、マンションやアパートなどの集合住宅で、隣り合う住戸の間仕切りとして使用されており、隣戸からの騒音や火災の延焼を防ぐ重要な役割を果たしています。戸境壁には、耐火構造・準耐火構造・防火構造の3つのタイプがあり、建築基準法によって、戸境壁の耐火性能を規定しています。また、戸境壁は天井裏まで達していなければならないことも規定されており、これは火災時に火災が上階の住戸に延焼することを防ぐためです。
戸境壁の重要性は、主に2つあります。1つは、先述したように火災の延焼を防ぐことです。集合住宅では、火災が発生すると、隣り合う住戸に延焼する可能性が高いため、戸境壁の耐火性能は非常に重要です。もう1つは、隣戸からの騒音を遮断することです。集合住宅では、隣り合う住戸の音漏れが問題になることが多いですが、戸境壁が適切に施工されていれば、隣戸からの騒音を大幅に軽減することができます。
戸境壁の種類と工法
戸境壁には、大きく分けて、「クロス直貼り」と「二重壁」という2つの種類があります。
クロス直貼りは、コンクリート壁に直でクロスを貼る工法です。この工法は、費用が安いことや、工期が短いことが特徴です。しかし、防音性能は、二重壁よりも劣ります。
二重壁は、コンクリート壁にボードを貼り、その上にクロスを貼る工法です。この工法は、クロス直貼りよりも、防音性能が高いことが特徴です。しかし、費用が高く、工期も長くなる傾向があります。
戸境壁の防音性能を高める方法
戸境壁の防音性能を高める方法としては、コンクリートの厚さを増やす、二重壁構造にする、吸音材を入れる、などの方法があります。
コンクリートの厚さを増やすことで、音の透過を減らすことができます。しかし、コンクリートの厚さを増やすと、それだけ重量が増加し、建物に負担がかかるため、限度があります。
二重壁構造にすることで、コンクリートとボードの間に空気層ができるため、音の透過を減らすことができます。また、ボード同士の間に吸音材を入れることで、防音性能をさらに高めることができます。しかし、二重壁構造は、コンクリート直貼りに比べて、施工コストが高くなるというデメリットがあります。
吸音材を入れることで、音の反射を減らすことができます。吸音材には、グラスウール、ロックウール、セルロースファイバーなど、さまざまな種類があります。吸音材の性能は、吸音率と吸音帯域によって決まります。吸音率は、音の吸収率を表し、吸音帯域は、吸音できる音の周波数帯域を表します。
戸境壁の防音性能を高める方法は、さまざまなものがありますが、建物に与える負担や施工コストなどを考慮して、最適な方法を選択することが大切です。
戸境壁の耐火性能を高める方法
戸境壁の耐火性能を高める方法として、コンクリートの厚みを増やすことが挙げられます。コンクリートは耐火性に優れた材料であるため、厚みが増すほど火が燃え広がるのを防ぐことができます。また、コンクリートに鉄筋を組み込むことで、さらに耐火性能を高めることができます。鉄筋はコンクリートの中に埋もれているため、火災が発生しても熱の影響を受けにくく、コンクリートを支える力が低下しにくくなります。その結果、戸境壁が倒壊するのを防ぎ、火災の拡大を防ぐことができます。