木材

住宅の部位について

床束の基礎知識

床束とは、1階の床下に設ける短い柱のことである。大引きを支えることが目的で、束石やコンクリートの上に設置することで受け止めさせる垂直材をさす。一般的には90cm角程度の木材が使われていたが、乾燥収縮を起こす問題があった。床鳴りの原因となることから、簡単に調節できるプラ束や鋼製束に変わっていった。施工の点でも、木製の床束は微調整に多くの時間を割くことになる。調整が容易になり、工期の短縮に大きな効果を与えるようになった。プラ束は合成樹脂製で、大引きを簡単に受け止める受け口がある。鋼製束も同様に回転させるだけで高さ調節できる構造となっている。
建材と資材について

建築用語『パイン材』 – 特性と用途

パイン材とはマツ材のうち、外材で仕上材または家具などに使われる物を指す。 ヒノキ材やスギ材と同程度の硬さで、年月がたつと白っぽい黄色から艶やかな飴色に変化するなどの特徴がある。種類や見た目も多岐に亘り、はっきりとした木目を生かした使い方をすることが多い。また、乾燥しやすくやわらかいため加工しやすい木材という面を持つ。構造用では、ロッジボールパインなど種類を限定する使い方もある。床材や壁材などの内装材として人気が高いが、無節の物は珍しく高値で取引される。近年は、欠けた割れ目や節の抜けた穴に節着剤を使い、埋め木補修を施した物や、プラスチックを割れ目に充填したパイン材も登場。こういった木材のことを「補修パイン材」などと呼んでいる。
建材と資材について

木材を有効活用する『木取り』とは?

木取りとは、原木から製材するときに、どんな材とするのかを考え製材することです。適材を考えて製材を進めていくため、無駄を最小限にすることが重要であり、木理を考慮しながら切り出していくことになります。原木から柱や梁、板を取っていくことになりますが、それぞれ使用箇所が違うため必要とされる性能も違うのです。 木取り次第では、節の問題なども出てくるため、木材としての値段も変わってくることになります。製材する段階での墨打ちとも呼ばれますが、伐採する段階で用途は大きく制限されていくことになることからも、木取りとよばれることが多いのです。
建材と資材について

木材保存剤とは?その種類と特徴

木材保存剤の種類 木材保存剤には、水溶性と油性があり、さらに、加圧処理と現場塗布に分かれます。 水溶性の木材保存剤は、水に溶かして使用する薬剤で、木材の内部まで浸透しやすく、効果が長持ちします。しかし、水に溶けやすいことから、雨や湿気にさらされると効果が低下するため、屋外での使用には適していません。 油性の木材保存剤は、油に溶かして使用する薬剤で、水溶性の木材保存剤よりも効果が長持ちします。また、水に溶けにくいことから、雨や湿気にさらされても効果が低下しにくいため、屋外での使用に適しています。 加圧処理は、木材保存剤を真空状態にして、その後、木材に浸透させる方法です。この方法により、木材の内部までまんべんなく薬剤を浸透させることができます。 現場塗布は、木材に直接薬剤を塗布する方法です。この方法では、木材の内部まで薬剤を浸透させることはできませんが、簡単な作業で済むというメリットがあります。
建材と資材について

縁甲板とは?日本建築で使われる床用木材

縁甲板とは、日本建築で使われる床用木材のことで、縁側や板の間で使われる物を指す。幅は10cm程度で、本実加工されているため、ずれが生じにくい。長尺でできており、2間になっている。素材としては、針葉樹の物を縁甲板と呼ぶことから、スギやヒノキでできている物が中心。厚さもある程度決まりがあり、4分か5分になっている物がほとんどある。広葉樹で縁甲板が作られないのは、長尺が取れる程成長することがないため。そのため1m未満の物になりやすく、乱尺材となってしまう。合板材で作られるフローリング材と混同されやすいが、縁甲板は本実加工されており、無垢材の1本物であるところが大きな違いと言える。
建築の基礎知識について

建物の熱容量

比熱と熱容量はどちらも物質の熱的性質を表す値ですが、その意味は異なります。 比熱は、物質1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量です。一方、熱容量は、物質全体の温度を1℃上げるのに必要な熱量です。 同じ物質であっても、その量によって熱容量は変化します。例えば、1kgの鉄と10kgの鉄では、後者の熱容量が10倍になります。 熱容量は、建物のエネルギー効率に影響を与える重要な要素です。熱容量が大きい建物は、温度変化に抵抗力があり、夏は涼しく、冬は暖かい状態を維持しやすいです。一方、熱容量が小さい建物は、温度変化の影響を受けやすく、夏は暑く、冬は寒い状態になりやすいです。
建材と資材について

木材の分類で学ぶ建築の基本

木材の含水率によって、人工的に乾燥させたものや天然乾燥させた「乾燥材」と、含水率が25%を超える「未乾燥材」に分けられます。乾燥材は、人工乾燥と天然乾燥の2種類があります。人工乾燥とは、木材を乾燥機に入れて強制的に乾燥させる方法で、天然乾燥とは、木材を屋外に放置して自然に乾燥させる方法です。人工乾燥は天然乾燥よりも乾燥時間が短く、安定した品質を得ることができます。一方、天然乾燥は人工乾燥よりも乾燥時間が長く、品質にばらつきが出やすいですが、木材本来の風合いが残るというメリットがあります。
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建築用語「あて」とは?特徴や活用方法

あてとは、木の持つ特殊な性質の材のことです。傾いた木や曲がった木に起きる木材の欠点であり、斜面などの特殊な環境で育った場合に、曲がった部分などに起きてしまいます。あては陽疾(ようしつ)とも言われ、木材の繊維として正常ではない部分であり、材料としてみると曲がりや反りなどの狂いが生じやすいため、問題を起こりやすいです。針葉樹の場合には斜面の下側に圧縮応力が働き、広葉樹では上側に引っ張り応力を受けて現れます。年輪の幅を見ると広くなっているのが特徴として見られます。建築用としては使われることはないため、市場に出回ることは少ないですが、造作用として考えた場合、節や木目が独特のものになるため、数寄屋造りなどで珍重されます。
建材と資材について

白木の魅力と注意点

白木のメリットは、その美しい見た目と、自然な風合いが挙げられます。白木は、塗料や着色剤を塗っていないため、木の本来の美しさを楽しむことができます。また、白木は、木が収縮を繰り返す性質を持つため、傷がついても水を付けると吸って復元する機能があります。そのため、メンテナンスが比較的簡単です。しかし、白木は、湿度の多い時期や、屋外で使用すると、性質が変化してしまうため、建具などに利用するのは困難です。
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建築用語「JAS」を徹底解説!

JASとは、1950年に制定された「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)」に基づいて決められた規格です。食糧品や林産物に一定のレベルを設け、品質向上を図るための規格で、日本農林規格の略称です。規格に適合している商品にJASマークを付けることができます。建築分野では、材木や木材の加工品についてこの規格を適用しています。具体的には製材品、各種合板、集成材、フローリング類などに規格が設けられています。規格の種類は、一般JAS規格の他、特定JAS規格、有機JAS規格、生産情報公表JAS規格などがあります。JASマークには、品質によって、特級、上級、標準の等級を示すことができるものもあります。
住宅の部位について

建築用語「軒」とは?その役割と種類について

軒とは、外壁より外側に出ている屋根の部分のことです。 雨風や日光をよける働きがあります。軒の先端部分のことを軒先と言い、軒を下から見上げて見える部分のことを軒裏や軒天井と呼びます。軒部分を支えるために外壁の上部に回される横架材を軒桁と言い、外壁よりも室内側のことは桁内と言われます。軒が外壁よりでている部分のことを軒の出と言い、軒の出1メートルまでは建築面積に含まれません。しかし、1メートル以上の部分については建築面積に算入されます。 軒には外壁の保護、日差しの調節、雨よけといった機能があります。木造住宅では、外壁が雨に濡れたり日差しに当たったりを繰り返すと木材の傷みが激しくなり耐久性が落ちることから、軒を付けなければなりません。
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建築用語『シーラー』の意味を解説

「シーラー」とは、塗料の下地処理剤のこと。塗料以外にも塗床材などにも使用される。また、シーラーは 主剤の染み込みを防ぐことで、塗膜が痩せたり割れたりするのを抑止する効果がある。また、シーラーを使用することにより、塗料の密着性を高めることができ、塗装面に浸透させれば塗装によるムラをなくし、古い塗装のひび割れなどから受ける影響を少なくすることが可能になる。また、シーラーの浸透性の高い種類のものを使用すれば下地自体を強化することが可能となる。特に、コンクリート面への塗装を考えた場合は、コンクリートの吸収性が非常に高くなってしまうため、シーラーを用いることが塗装の前提となる。また、木材の目止めに使っているものもシーラーの一種である。
建材と資材について

建築用語『塩地』とは?

塩地とは、モクセイ科の常緑高木であるソヨゴの別称です。ソヨゴは、サワグルミ、ヤチダモ、カラスザンショウなどさまざまな種類の別称としても使用されています。ソヨゴは、北限が群馬県北部で、本州、四国、九州の湿地に分布していますが、日本海側には数が少ないです。ソヨゴは、沢沿いの中でも岩がちな場所に自生し、高さは30メートル程度、幹の直径は1メートル程度まで成長します。木材としてのソヨゴは、辺材は淡い黄白色ですが、心材は淡灰褐色になります。年輪がはっきりしており、木目は直通で現れます。木肌はそこまで細かくはありません。ソヨゴと同様に、他の呼び名が存在する植物が多く、木材としても共通点が多く、区別がつきにくいという特徴を持っています。近年、ソヨゴの産出量が激減しており、大量に使用されることは稀となっています。
建材と資材について

小割とは?建築用語解説

小割とは、小さな単位に割るということを意味する建築用語です。木材の規格として使われることもあります。正確に寸法が決まっているわけではなく、木口が小さい断面で細長い物であれば、小割と呼ばれることが多いです。寸法的には1寸2分×1寸3分程度の物を指します。こうしたサイズを一二三と呼びますが、1寸3分の1寸を共通の数字ということで省略しています。実際の寸法としては、垂木以下のサイズにした物のことを言うことが多く、正角に対して小断面の物であればこのように呼びます。木口が3cm以下の角材で1800mmになる物もあります。羽柄材の一種としての扱いになることがあり、構造材などではないことからも使われる量も少ないため、木拾いしても載せないことがほとんどです。
建材と資材について

突板とは|天然木の美しさを生かした木材

突板の特徴と使い方 突板は、天然木を薄くスライスしたものです。合板の表面に接着して使用されることが多く、木目の美しさや高級感を出したい場合によく使われます。突板には、天然木の良さを生かしたまま、反りがほとんどないというメリットがあります。また、合板の表面に突板を貼ることで、見た目を木目調にすることができます。突板は、家具や建具、楽器など、さまざまな用途で使用されています。
建材と資材について

建築用語『当て木』とは?

当て木とは、材料や部材の保護目的で、加工時に用いられる板のことです。位置決めやホゾの組み立てを行なうときに、木材に傷が付かないように当て木をして、その上から金槌を打つなど、様々な用途で使用されます。当て木には、補強目的で取り付ける「添え木」や、平面仕上げをするためのサンドペーパーを巻く平らな木片など、様々な種類があります。 また、「当て木」と似た言葉に「陽疾木」があります。これは、建築用語ではなく、製材後の乾燥中に反りが出てくる木材の、反っている部分のことです。これは、山で木が成長するときに日陰や急斜面で育ったためにバランスの崩れた木が使用されているために起こる現象です。丸太での使用なら問題が起きにくいです。しかし、板状で乾燥材になると割れが発生することもあります。
建材と資材について

建築用語『製材』とは?種類や用途、規格について解説します。

製材とは、丸太や原木などを鋸挽きした木材製品のことです。挽き材ともいわれ、建築に使用される物が多いですが、家具や建具、土木、梱包、造船、車両などに使用される物もあります。2000年に製材された物の約60%が国内の製材工場で生産されていますが、国内生産の約半分は輸入原木を使った物で、スギやヒノキなどの国産材は、全体に対して3割程度です。しかし地方市場では、国産の製材が中心となっているところもまだ多く存在しています。製材は、用途別に22品目が定められており、「針葉樹の構造用製材の日本農林規格」では、針葉樹の構造用製材の等級、寸法、含水率が定められている一方で、日本農林規格とは違った区分も存在します。
建築の工法について

蟻継ぎ:伝統的な日本の木材接合方法

建築用語『蟻継ぎ』 蟻継ぎとは、木材の接合方法である継ぎ手のひとつ。 逆ハの字である蟻ほぞを作り、もう片方に蟻の突起部を作って接合する方法。日本建築の伝統的な手法で、様々な場面で使われ、応用も進められてきた。 継ぎ手の中でも蟻継ぎは単純な構造を取っているが、逆ハの字にすることによって、引き抜きにも強い継ぎ手にできる。腰掛けを作ることも多く、継ぎ手として考えても基本的な方法として用いられることが多い。
建材と資材について

オイルフィニッシュの楽しみ方

オイルフィニッシュとは、亜麻仁油や油性ワニスなどの乾性油を、木材の繊維の中に染み込ませながら磨き上げる塗装方法のこと。別名「油性ステイン」とも呼ばれ、主に天井、壁、ドア、家具などに用いられる。 オイルフィニッシュは、表面ではなく内側に塗膜を作るため、木材の呼吸を妨げることなく耐摩耗性や撥水性を高められることが特徴。また、木の質感や美しさをそのまま楽しめる他、使い込む程にあめ色が増し味わいが出てくる。
建材と資材について

木造建築の必需品「ヒノキ」の魅力

ヒノキの特徴は、以下のようにまとめられます。
  • 淡い紅色と優れた耐久性ヒノキは心材が淡い紅色で、辺材はほぼ白色をしています。また、心材の耐久性が非常に高いため、建築材として広く使用されています。
  • 美しい光沢ヒノキは美しい光沢を持っており、特に木目がはっきりとしているため、高級感のある仕上がりとなります。
  • 特有の芳香ヒノキには特有の芳香があり、リラックス効果があると言われています。このため、ヒノキ風呂やヒノキの家具などが人気を集めています。
  • 加工性ヒノキは、杉や松などの他の木材と比べて加工性が良いという特徴があります。そのため、様々な用途に使用することが可能です。
建築の基礎知識について

仕口とは?建築用語を解説

仕口とは、建築部材の接合方法の一種で、木材、鉄骨、鉄筋コンクリート等で、方向の異なる複数の部材をT字形または斜めに接合・交差させることを指します。その接合部分のことや、木材に刻まれたホゾ等をさす場合もあります。仕口は、建築物の強度や耐久性、耐震性を確保するために重要な役割を果たしています。木造建築の場合、仕口の種類は非常に多く、強度、見た目、伸縮やねじれ等経年変化を見越した配慮など、様々な要素を考慮して選擇されます。近年では、金物を使用して接合を行うことも増えていますが、金物に結露が生じることで木材の腐食・腐朽の原因となることがあります。そのため、仕口を設計する際には、金物の使用についても十分に検討することが大切です。
建材と資材について

揃の基礎知識

「揃」とは、2つの材の断面をそろえることであり、仕上げをしてそろえることも揃と呼ばれる。現場では、「面一」といったほうが理解されやすく早い。通りをそろえるということも同じ意味を持っている。2つの材を同じ面にそろえるということは、非常に高い技術を要する。2つだけで済むことは珍しく、これが他の材に対しても影響するため、ひいては全体的な納まりを考えていかなければならないためだ。
建材と資材について

ファイバーボードとは?特徴や種類、メリット・デメリット

ファイバーボードとは、木材などの繊維を固めて作り上げた板のこと。 植物繊維を主原料として作られた建築材料の一種です。通常の建材よりも低価格を実現することができ、資源の有効利用という有効性も兼ね備えています。ファイバーボードの場合は、いったん繊維を解きほぐしてから合成樹脂を使って成形していくため、均一な品質に作り替えることができます。ですので、断熱性能や吸音性を考えても、品質が均一になるということで効果を高められます。また、端材や廃材といったことも再利用することができるメリットがあります。しかし、合成樹脂などを使うことによるシックハウス症候群の問題である、ホルムアルデヒドを含んでしまうため、規制基準が設けられています。
建材と資材について

建築用語『フィンガージョイント』について

建築用語の「フィンガージョイント」とは、部材同士の接合方法のうち、くし型の組み合わせを使った方法のことです。木材で使われることが多いのですが、深い波型に加工することで、組み合わせたときに摩擦を強く発生させることができるようになり、強い力を生み出すことができるようになります。接着剤を用いることで、しっかりと固定していく。集合材によく見られる方法で、単純に強度を維持しやすいのが特徴です。フィンガージョイントと呼ばれる通り、まるで手の指を両手でお互いに掛けるようにすることで固定することができるのです。伸縮に対応させるエキスパンションジョイントに使われている波型の鋼材もフィンガージョイントと呼ぶことが多いですが、これも人間の手の指のように見えることから名付けられています。