飛石の美しさ、活かし方と歴史
建築物研究家
「飛石」とは、庭園や露地などで、歩行用にとびとびに配された石のことです。どのような目的で並べられているのでしょうか。
建築を知りたい
湿気によるぬかるみを避けるための目的と、美的な景観の効果を演出するための目的に並べられているのではないでしょうか。
建築物研究家
その通りです。飛石は、安土桃山時代の頃、露地口より茶室までの間の苑路上に歩幅に合わせて石を配置し、茶席までの誘導を行なったものであると言われています。江戸初期頃になると、一般庭園にも打たれ、面の平らな自然石だけでなく、切石も使われるようになっていきました。
建築を知りたい
なるほど、飛石には様々な種類があるんですね。勉強になりました。
飛石とは。
飛石とは、庭園や露地などで、歩くための石を飛び石のように並べたものです。ぬかるみを避けるためと、景観を美しくするため、バランスを考えて配置されています。飛石の始まりは安土桃山時代頃で、茶室までの道を歩幅に合わせて石を並べ、茶席への道を示す役割を果たしていました。江戸時代初期になると、一般庭園にも飛石が取り入れられ、自然石だけでなく、切石も使われるようになりました。飛石の並べ方には、直打ち、二連打ち、三連打ちなどがあり、また石には、始点となる踏込石をはじめ、踏分石や踏外しなどがあります。
飛石の歴史
飛石の歴史は安土桃山時代に遡ります。当時は、茶道が盛んであり、露地口から茶室までの間の苑路上に、歩幅に合わせて石を配置し、茶席までの誘導を行なっていました。これが、飛石の始まりとされています。
江戸初期になると、飛石は一般庭園にも打たれるようになり、面の平らな自然石だけでなく、切石も使われるようになりました。また、飛石の打ち方にも、直打ち、二連打ち、三連打ち、二三連打ち、三四連打ち、短冊打ち、千鳥打ち、大曲り打ちなど、さまざまな種類があります。
飛石には、始点となる踏込石をはじめとして、踏分石や踏外しなどの役石もあります。踏込石は、飛石の始点となる石で、通常は他の石よりも大きく、目立つように配置されています。踏分石は、飛石の間隔を調整するために使用される石で、通常は小ぶりの石が使われます。踏外しは、飛石を踏外しそうな場所に配置される石で、通常は平らな石が使われます。
飛石の打ち方
飛石の打ち方には、直打ち、二連打ち、三連打ち、二三連打ち、三四連打ち、短冊打ち、千鳥打ち、大曲り打ちなどがあります。直打ちは、石を一定の間隔で直線状に並べたもので、最も基本的な打ち方です。二連打ち、三連打ちとは、2個、3個の石を一直線に並べたものです。二三連打ち、三四連打ちとは、2個と3個の石を交互に並べたものです。短冊打ちとは、石を横長に並べたもので、千鳥打ちとは、石をジグザグに並べたものです。大曲り打ちとは、石を円形や弧状に並べたものです。
また、飛石には、飛石の始点となる踏込石をはじめとして、踏分石や踏外しなどの役石があります。踏込石は、飛石の最初の一歩を踏み出す石で、踏分石は、飛石と飛石の間の歩幅を調節するための石です。踏外しは、飛石を踏み外した場合に足を置くための石です。
飛石のデザイン
飛石のデザインは、石の種類、大きさ、形状、配置などによって異なります。石の種類としては、自然石、切石、タイルなどがあります。自然石は、不規則な形状や色合いが特徴で、景観に馴染みやすいです。切石は、規則正しい形状や色合いで、モダンな印象を与えます。タイルは、さまざまな色や柄があり、自由度の高いデザインが可能です。
石の大きさは、飛石の配置によって異なります。直線的に配置する場合は、大きめの石を使用すると、安定感が出ます。反対に、曲線的に配置する場合は、小さめの石を使用すると、軽やかな印象を与えます。
石の形状は、丸形、角形、平形などがあります。丸形は、柔らかな印象を与え、角形は、シャープな印象を与えます。平形は、安定感のある印象を与えます。
石の配置は、直線的、曲線的、放射状、千鳥状などがあります。直線的な配置は、シンプルでモダンな印象を与え、曲線的な配置は、柔らかく優しい印象を与えます。放射状の配置は、華やかな印象を与え、千鳥状の配置は、動きのある印象を与えます。
飛石の材料
飛石の材料は、主に自然石と切石の2種類があります。自然石は、そのままの形で加工することなく使用され、切石は、加工や切り込みを入れて整えられます。
自然石は、風合いや趣があり、庭園や露地に調和しやすいという特徴があります。また、切石は、形や大きさを整えることができるため、よりシンメトリーな雰囲気を演出したい場合などに適しています。
飛石の材料を選ぶ際には、使用目的や雰囲気、予算などを考慮して、最適なものを選ぶようにしましょう。
飛石の活かし方
飛石は、庭園や露地で歩行するためにとびとびに配された石のことです。湿気によるぬかるみを避けるため、また美的な景観の効果を演出するために、バランスを考えて並べられています。飛石の起こりは安土桃山時代の頃で、露地口より茶室までの間の苑路上に歩幅に合わせて石を配置し、茶席までの誘導を行なったものであると言われています。それが江戸初期頃になると、一般庭園にも打たれ、面の平らな自然石だけでなく、切石も使われるようになっていきました。飛石の打ち方には、直打ち、二連打ち、三連打ち、二三連打ち、三四連打ち、短冊打ち、千鳥打ち、大曲り打ちなどがあり、また石にも、飛石の始点となる踏込石をはじめとして、踏分石や踏外しなどの役石があります。
飛石を活かすためには、まずその特徴を理解することが大切です。飛石は、歩行を補助するだけでなく、景観を美しくするための役割も果たしています。そのため、飛石を置く場所や石の大きさ、配列などを慎重に検討する必要があります。また、飛石は経年変化によって風合いが変わっていくため、定期的にメンテナンスを行うことも大切です。飛石を活かすことで、庭園や露地の魅力をさらに引き出すことができます。