コンクリート

建材と資材について

コンクリートの作業性を考える「ワーカビリティー」

ワーカビリティーとは、コンクリートの軟度を示す言葉であり、型枠などにコンクリートを打ち込む際の作業の容易さを表す言葉である。スランプ試験によって測定されるのが一般的である。コンクリートはやわらかい方が作業しやすく、逆に堅いと作業がしにくいが、作業性のみを考慮してやわらかくしすぎると、コンクリート硬化後にクラックが発生しやすくなる原因になってしまう。コンクリートのコンシステンシーと材料分離に対する抵抗性を合わせた性質を表していて、降伏値、塑性粘度、ダイラタンシー、内部摩擦角など多くの要素で構成されている。コンクリート自体の性質だけでなく、構造物の形状や寸法、配筋状態など構造物全体の要因や、天候や施工状況といった作業環境もワーカビリティーに影響する。
建築の工法について

建築用語『土壌処理』とは?

土壌処理とは、建物の周りにある土壌に対して白蟻などが侵入しないように処理することであり、一般的には、床下の土壌に対して薬品を散布することで、地面からの侵入を阻止する方法が取られる。浸透させることによって、土壌に薬剤を浸透させる直接散布以外にも、表面被膜形成タイプやシートを敷くといった土壌処理の方法もある。コンクリートの打設後では土壌処理ができなくなってしまうため、多くは打設前に行われる。浸透させる場合には、井戸水など地下水に影響を与える可能性があり、地質を調査した上で判断しないと、重大な水質汚染を招く恐れもある。計画は慎重に行われるべきである。また、汚染された土壌を浄化する目的の場合にも土壌処理と呼ばれることがある。
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高強度コンクリートの基礎知識

高強度コンクリートとは、通常のコンクリートよりも強い圧縮力に耐えられるコンクリートのことです。コンクリートの強度は単位面積あたりの圧縮強度の高さで表されます。耐えられる強度によって名称が異なり、弱い物から順に軽量コンクリート、普通コンクリート、高強度コンクリート、超高強度コンクリートと分類されます。 普通コンクリートは1平方ミリメートルあたり27〜36ニュートンの圧縮力に耐えるのに対し、高強度コンクリートは36〜60ニュートンの圧縮力に耐えられます。コンクリートが高強度になるほど、同じ強度を保つのに必要な柱や梁などの重量を減らすことができます。そのため、超高層建築に使用されます。
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レベラーとは?種類や使い方を解説

レベラーとは、床面に流して用いる下地調整材のセルフレベリング材のことです。 在来軸組み工法などの木造建築で、基礎の立ち上がりの天端を水平にするのに用いられます。石膏やセメント系の自然流動材で、コンクリート打設後に5〜20mm程度流してコテ押さえ無しで仕上げることで自然に水平が出ます。レベラーができたことで、モルタルを用いての天端均しよりも高い水平精度を出すことができるようになりました。クッションフロアーをコンクリートに直貼りする際にもレベラーで水平を出してから張る場合が多いです。
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建築用語『呼び強度』とは?

建築用語『呼び強度』とは、コンクリートの設計基準強度に対して、温度補正を加えて発注される数値のことです。圧縮強度のことを示しています。現場に対して、どの程度の強度を設計した生コンを搬入してくるのかどうかを、具体的にさせた数値になります。強度試験を1回した場合、呼び強度の85%以上でなければならず、3回の強度試験の結果が予備強度を超えることが必要です。設計基準強度ということで見た場合には、呼び強度は超えていなければなりません。この差が生じるのは、プラントで採取された供試体で強度の確認をするが、現場とは異なり20度の水中養生で管理された物を圧縮強度試験機でつぶして、強度の確認をすることになるため、余裕を持たさなければならないためです。
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「柱脚金物」って知ってる?基礎を固くして家を支える重要アイテム

柱脚金物とは、玄関など柱の脚に使用する金具のことです。基礎に埋め込んで使用する。基礎に取り付けることによって、玄関の柱の脚にすると、ポーチが暴風などによる吹上の力に耐えられるように。その他の構造耐力上重要な部分の接合に用いる金物として使われている。土台と連結させる一般的な柱は、荷重に対して耐えることができる設計が重要となってくるが、これに引き抜きに耐える力を与えるのが柱脚金物だ。玄関などの柱は独立柱であり、コンクリート上に建てられるため、耐えられるようにするために用いられる。ただし、水平力の負担は筋違いの存在がないためにできない。埋め込み深さによって耐久度が異なり、一般的な柱脚金物の埋め込み深さは150mmだが、風の強い地域で使うことができるような200mmといった物も選択することができる。
建築の工法について

建築用語『ケーシング』ってなに?

ケーシングとは、掘削などで使われる鋼管のことです。ボーリングを行なうときなどに用いられます。ケーシングチューブと呼ぶこともあります。機械でケーシングを地中に圧入しながら、孔壁を保護しつつボーリングをしていく工法を、オールケーシング工法と呼びます。この工法の場合、できた孔にコンクリートを打設することによって打ち杭にできます。ケーシングを使うことによって、掘削孔を保護しながら施工できるため、孔壁が崩れません。そのため、コンクリートに不純物が混入するのを避けることができます。また、正確に施工を進めることができるようになり、ケーシングチューブによって垂直性も保つことができることで、杭が曲がってしまうようなこともありません。そのかわりに、採掘機はどうしても大型になってしまう。
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SRC造 → 耐震性と自由度が高い建築構造

SRC造のデメリットは、コストが高くなってしまうことです。鉄骨や鉄筋、コンクリートなどの材料費が高いこと、また、施工が複雑で手間がかかることから、他の工法に比べて建築コストが高くなります。また、SRC造は鉄筋コンクリート造よりも重いため、地盤の調査や基礎工事がより入念に行う必要があります。 また、SRC造は鉄筋コンクリート造よりも工期が長くなる傾向があります。鉄骨や鉄筋の加工、コンクリートの打設など、工程が多く、一つひとつの工程に時間がかかるためです。そのため、SRC造で建築する場合は、工期に余裕を持って計画する必要があります。
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目つぶし砂利の役割とは?

目つぶし砂利とは、割栗石(岩石を打ち割ってつくる基礎地業につかわれる石材)を敷き並べたあとに、その隙間を充てんするために入れる砂や砂利のこと。割栗石は花崗岩類、安山岩類、砂岩類などだ。基礎を作る際、最初に割栗石を縦に並べていき、そのすき間を目つぶし砂利で埋めて、その上からコンクリートをうつと頑丈な基礎ができあがる。これは、割栗石の中にコンクリートが入り流れ込んでしまうのを、目つぶし砂利が防いでいるから。場合によっては、割栗石を敷かずに目つぶし砂利を敷くこともあるが、割栗石を敷いた方が、湿気に強い仕上がりとなる。また、目つぶし砂利を敷くときには、水準器で水平を確認しながらの作業となる。
建築の基礎知識について

建築用語「養生期間」の意味と重要性

建築用語の「養生期間」とは、コンクリートやモルタルを打設したのち、十分な強度を発現させるために必要となる期間のことです。 打設終了後に乾燥したり風雨にさらされたりすると、正常な強度の発現を望むことができなくなり、ひび割れなどの問題を生じることになるのです。 また内部の鉄筋が動いてしまうなど、構造的な強度にも影響を及ぼしていくことになるので、シートをかけたり養生マットを敷いたりするなどして対策をしていくことになります。 特に打設後には十分な水分が必要になり、日光などにさらされて乾燥したりすることは防がなければならないのです。 この間振動を与えないことも重要になってくるでしょう。 また養生期間中には、特に水分が凍結するような温度にならないようにすることも必要となるのです。
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建築用語『木煉瓦』とは?

木煉瓦とは、レンガのようにした木片のことです。コンクリート面などに取り付けておくことで、釘打ちができるようにできる補助材となります。埋め込むことで、構造欠損ができてしまうため、接着するという方法もあります。サイコロ状に加工したり、輪切りにしたりしたまま床仕上げとして使うことも。この場合の木煉瓦は、木口を上に向けて敷き並べることが重要で、室内でも土足で歩く場所に用いられることが多いです。目地にはアスファルトを使うことによって、固定できるようになる反面、どうしても凹凸は回避することができません。木である以上、不織の問題も出てくるため、屋外や水を使うような場所にも向かない方法となります。
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建築用語解説:透過損失

透過損失とは、音が壁や床によって損失していくことを指す建築用語です。記号はLTで単位はdBで表わします。透過損失は、壁や床に対する入射音に対して、対象に対して入った音の大きさの差を示しています。 音が失われていくため、それだけ静かになることであるから、遮音性を示すときに用いられます。壁や床などの材料層が持つ性質によって変化する数値となるが、質量が大きく、重くて緻密な物ほど音を通しにくくなるため、数値も大きくなっていきます。 こうした条件から当てはまっていくのは、隙間ができにくいコンクリートということになります。通気性が高くなると、その分、透過損失が少なくなっていくため、仕上げ材にブラスターを使っていく必要が出てきます。
建材と資材について

レイタンスとは?原因と対策

レイタンスとは、コンクリート打設後にセメントや砂が原因で表面に薄膜状に生じる泥状の物質です。ブリーディングに伴い、内部の微細な粒子が浮上してコンクリート表面に脆弱なレイタンスの層が形成されます。多孔質で脆弱なため、打ち継ぎ面にあると躯体の接着を阻害し、ひび割れの原因となるため、打ち継ぎの前に取り除く必要があります。コンクリート打設時に必要以上の加水が行なわれた際に特に発生しやすいです。
建築の工法について

下地補修とは?重要性と施工方法を解説

このテーマについて段落を記載します。 下地補修は、下地の劣化や損傷部分を比較的小規模な範囲で修繕することで、下地調整作業のひとつである。塗装や防水施工をする前に、素地面の補修工事をすることである。亀裂や凹凸、またピンホールや欠損などを削り取ったり埋めたりする作業を含む。コンクリートは外気の温度が低いと収縮して、外気の温度が高いと膨張するという性質を持つ。このように収縮を繰り返すことでひび割れが起こり、それを放置すると雨水が侵入し、内部の鉄筋などを腐食し、建物の劣化、電気や配給水設備の故障につながる。そのため、下地補修が大切だ。また、下地補修によって、その後の塗装工事、防水工事、磁器タイル改修工事などの仕上がりにも影響が出る。
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捨てコンクリートとは?基礎コンクリートとの違いを解説

建築用語の捨てコンクリートとは、栗石や砕石地業の上に打設しておくコンクリートのことです。墨だしのためにも打設されることがあり、構造的に見た場合には、耐力への影響を持ちません。そのため、180kg/m3のコンクリートを利用します。捨てコンクリートよりも捨コンと呼ばれることのほうが多く、名称的な問題からも、均しコンクリートと呼ぶこともあります。地面には墨を打つことができないため、3cm程度の捨てコンクリートを利用します。墨出しをすることによって、建物の通り芯や基礎の位置を間違ったりしないように、はっきりとさせることができるようになります。位置情報の共有のためにも、捨てコンクリートを打設して墨出しをしていくことは、大きな意味を持ちます。
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面落ちとは?意味や使い方を解説【建築用語】

建築用語『面落ち』とは、面だけが下がってしまっている状態のこと。面がそろっていない納まり方を指す。 例えば、コンクリートの表面処理をする場合に、わざと面落ちにしたりすることも。そうすることで、荒々しさを作り出せる。逆に表面処理をする場合には、面一にしないと問題が出てくることも多い。家具などでも面落ちにすることによって、見え方に大きく差が出てくる。意図的に段などを面落ちにすると立体感を前面に出すことができるようになり、面白みを作り出せる。反対の言葉は面一であり、段差を付けることを意味する。
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すっきり解説!「差し筋」とは?

差し筋とは、建物を一体化させるために、すでにあるコンクリートに対して鉄筋を打ち込む施工のことです。 この鉄筋自体も差し筋と呼ばれます。コンクリートは、新たにうち継いだだけでは一体化することがありません。そこで、削孔して鉄筋を差し込みます。 あらかじめ鉄筋を施工しておくこともあります。しかし、横方向の場合、型枠が邪魔をするため、ほとんど行なわれることがありません。そこで、後施工アンカーを使い、鉄筋をつなぐ方法が取られます。 一般的な後施工アンカーを使うと、鉄筋にネジを切るなどの加工が必要になることから、鉄筋と一体化した製品が販売されているため、これを打ち込むことが多いです。 差し筋は有効な手段であることは間違いないですが、新旧のコンクリートをつないでいるのは、鉄筋しか存在していません。
建材と資材について

海砂とは?建築用語の解説とコンクリートへの影響

海砂とは、海からとれる砂のことです。 海水の波浪によって摩耗されているため、砂自体が球形、あるいは円滑な表面を持っています。コンクリートの細骨材などとして、山砂や川砂が枯渇したことで海砂を使うようになりました。しかし、海砂は塩分を大量に含んでいます。これが問題となり、海の生態系に影響を与えただけではなく、コンクリートの塩害を発生させました。塩化物イオンの働きにより、鉄筋などの鋼材が腐食してしまい膨張し、コンクリートを著しく損傷させるため、海砂は洗浄しても使われることは少ないのです。
建築の工法について

建築用語「直張り」 その意味とは?

直張りのメリット・デメリット 直張りは、下張りをせずに下地に仕上げ材を直接張る工法です。コンクリートやモルタルなどの下地の上に、フローリング材やタイル材などを直張りすることで、仕上げることができます。直張りは、下張りを必要としないため、材料費や施工費を削減できるというメリットがあります。また、下張りの分だけ空間を狭くせずに済むので、狭い空間でも有効活用することができます。 しかし、直張りにはデメリットもあります。まず、下地を平滑にする必要があり、手間とコストが掛かります。また、下地の状態が仕上がりに影響するため、下地の精度が求められます。さらに、直張りは下地の音や振動を伝えやすいという特徴があります。フローリング材やタイル材を直張りした場合、足音が階下に響いたり、振動が伝わったりすることがあります。そのため、直張りの場合は、防音や遮音対策が必要になります。 直張りは、メリットとデメリットを理解した上で、適切な場所や用途に使用することが大切です。
建材と資材について

ケミカルアンカーとは?基礎に穴を開けて接着する画期的な建築部材

ケミカルアンカーとは、後打ちアンカーの一種で、化学薬品を使ってコンクリートとアンカーボルトを接着するものです。土台などの部材を基礎のコンクリートに固定する金物がアンカーボルトと言い、通常はコンクリート打設時に打つものです。しかし、施工忘れなど何らかの事情であとからアンカーボルトを打つ必要が生じた場合に後打ちアンカーが使われます。ケミカルアンカーでは、コンクリート硬化後にドリルで穴を空け、そこに接着剤を入れてアンカーボルトを打つという特徴があります。従来は、後打ちアンカーは信頼性が低いために、緊急用の手法として使われていましたが、最近ではケミカルアンカーで設計されている例もあります。ケミカルアンカーは商品名で、一般的には樹脂系後施工アンカーと呼ばれます。
住宅の部位について

パーゴラ:庭の美しい日陰と緑を演出する格子棚

パーゴラは、庭や軒先に設ける格子状の棚、またはその空間のことです。イタリア語の「ぶどう棚」に由来する言葉です。パーゴラは、主につる性の植物を絡ませるために設置されます。その植物の主なものとしては、蔦、藤、つるバラ、クレマチスやキウイなどがあります。パーゴラに植物を絡ませることで、直射日光を防ぎ、やわらかな日差しと心地良い風を得ることができます。 パーゴラは、公園や学校などに設置されているものは、柱をコンクリートで固めて上部の棚を木製としたものが多いですが、住宅の場合は柱と棚、両方とも木製であることが多いです。パーゴラの棚は、基本的に木と木を垂直に組み合わせて屋根状に作られます。その形は長方形であることが多いですが、正方形や扇形、台形、菱形、円形などのものもあります。
建材と資材について

建築用語『構造材』をわかりやすく解説

構造材とは、建物を構築するための骨組みになる部材のことです。 屋根や床の重さ、あるいは荷重など、構造にかかる力を負担する部材として、木材、鋼材、コンクリート、レンガ、コンクリートブロック、石などが用いられます。また、木造の部材では、柱、梁、桁、筋違などが構造材にあたります。構造上不可欠な材で、壁や天井などで隠れてしまう物も多いです。これに対して、見せるように使う材を仕上げ材や化粧材と言います。組積造や丸太組み工法の壁では、構造材が仕上げ材をかねている場合もあります。鉄筋コンクリート造では構造材と化粧材は明確に別の素材を用いているが、木造の場合には、同一の樹種でも節の有り無しで、構造材と化粧材に使い分けられることもあります。
住宅の部位について

建築用語「床高」について

床高とは、地盤面から見たときの1階に位置する床の仕上げ面の高さを指します。建築基準法で、この床高を450mm以上確保するように規定されています。 床高を下げることは、防湿処理を施すことで可能になります。防湿処理として認められるものは、防湿シートを使った上に50mm程度のコンクリートを打設することです。砂利を敷くかどうかは、あまり関係してきません。床高を下げることは、点検する場合に人間が入りにくいという問題も起こしてしまうため注意が必要です。
建材と資材について

ボイド管とは?基礎からインテリアまで活用できる便利な配管材

ボイド管とは、厚めの紙や特殊耐水ボードでできた筒のことです。 基礎などのコンクリートを打設する際にボイド管を入れることにより、設備などの配管のための円形空洞を作ります。また、丸柱を作る際の型枠にも用いることができます。この他にも、配管渠やダストシュート、アンカーボックス、インテリアなど様々な箇所に利用することが可能です。紙製の物は加工が簡単なうえ、スパイラル状に巻き上げて作っているため、高い強度を持ちます。そのため、コンクリートから受ける圧力にも耐えることができます。紙製のボイド管では、コンクリートへの文字移りが少ないこと、紙が付着しないこと、耐水性の高い物が広く利用されています。